江戸坂道散歩:(16) 神田駿河台縲怏至y町 淡路坂ほか

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淡路坂ぼやぼやしているうちに2006年も暮れかけてきました。まだ公開していない坂道の旅が残っているので、2006年分を駆け込みでご紹介いたします。今回は千代田区の神田駿河台縲怏至y町編です。秋に神保町古本散歩に行く前にひと巡りしたときのものです。

まずはJRお茶の水駅聖橋口からスタート。秋葉原に向かって線路に沿って下りる坂が「淡路坂(043)」。この坂は、秋葉原で買い物した帰り道、千代田線の新御茶ノ水駅までのルートとしてよく歩きました。

幽霊坂新坂
淡路坂のちょうど裏側が「幽霊坂」(044/左)。かつては木が茂って暗い坂だったそうですが、今はビルの谷間で暗い...。坂を登りきって、大きな通りに出てから2つ目の角を下におりるのが「新坂」(045)。こちらは明治維新後に出来た坂なので新坂というようですが、坂下の淡路公園は「開成学園発祥の地」で、ここで正岡子規南方熊楠が学んだそうです。

観音坂甲賀坂
新坂のさらに隣は、「観音坂」(046/左)。観音坂を登ると本郷通りに出ますが、そのまま直進してしばらく進むと「甲賀坂」(047/右)です。ここは名前は江戸風ですが、スロープ(十字路の向こうが坂なのです)としては今やほとんど無いも同然の坂でした。

池田坂雁木坂
先の写真の十字路を右に曲がると「池田坂」(048/左)。この坂を登りきった角に駿河台日本大学病院があり、左折すると「雁木坂」(049/右)。奥にも別な病院があるので、通院する人や薬局に向かう人たちで賑わっています。

紅梅坂胸突坂
この日大病院の角を雁木坂には向かわずに、ニコライ堂方面へ。ニコライ堂の北側が「紅梅坂」(050/左)。別名もたくさんある坂のようですが、かつて紅梅の大樹があったのだそうです。右側には有名な井上眼科。ここから明大通りへ向かい、途中で山の上ホテルに向かう坂が「胸突坂」(051/右)。明大周辺に比べると、意外にも静かな坂です。

錦華坂富士見坂
山の上ホテルのをグルッと周り、ホテルの向こう側に下りていくと錦華公園に出ます。この脇の坂が「錦華坂」(052/左)。公園は緑が多く、ほっとできます。この公園に面した錦華小学校=現お茶の水小学校は、夏目漱石の母校でもあります。錦華坂を下り、つきあたりを左に曲がると「富士見坂」(053/右)。坂上にはきちんと坂の説明板も建っているのですが、坂上の角にマツモトキヨシがあって、まったく風情なし。江戸時代にはここからも富士山が見えたのかと思うと不思議です。

ここまででこの日の坂道散歩は終了。引き続き古書店巡りをして帰りました。このあたりは全部千代田区。千代田区は坂の説明板もきちんと建てていますが、説明板は古くなって字がもう消えてしまっているものも多数見られました。歴史は古いのだけれど、町並みはオフィスビルが大半で、坂そのものの魅力も少なくなってきているようです。生活感のない坂は、だんだんつまらなくなってくるのでしょうか。少し寂しさも感じるエリアでした。

<ニコライ堂>
ニコライ堂

コメント(2)

1年ほど前からちょくちょく拝見してます。
最初はMac関連の記事に目をとめて見ていたのですが、その他の内容も興味深い物が多く「お気に入り」に加えさせてもらいました。
ところで、ここのところ続く坂シリーズですが、以前私が根津に住んでいた時に、お茶の水方面、日暮里方面とずいぶん散歩をしていたので、懐かしい思いで拝見しています。
さて前置きがずいぶんと長くなってしまいスミマセン。今、読んでいる早瀬乱「三年坂 火の夢」と言うミステリーに坂が色々と出てきます。と、言うか坂がミステリーの鍵になっています。あまりミステリーを読まない私にも、坂の名の由来、明治以降の東京の地理の移り変わりなどが楽しく読めました。
もしかするとRAIZOさんには物足りない知識かもしれませんが、興味があれば本屋でちょっと覗いてみてください。

>い 様
初めまして。コメントありがとうございます。

坂のエントリーは、どこまで皆さんが読んでくださっているのか不安ではあるのですが、自分の記録として淡々と続けております。楽しんで下さっていると聞いて光栄です。

さて、本のご紹介ありがとうございます。お話を聞いて、是非読んでみたくなりました!最近は古本ですが、タイトルに坂の名前が入っている小説が気になっていくつか読んだりしていたところなのです。

ということで、今後ともよろしくお願いいたします。

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このページは、raizoが2006年12月25日に書いたブログ記事です。

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