2007年の暮れに念願の万年筆Pelikan スーベレーン M800をゲットしました。この万年筆とその書き味には非常に満足しており、使うたびにうっとりしております。本の手帳として使っているほぼ日手帳には、もっぱらこの万年筆を使っています。
非常に気に入っているだけに、紛失や破損が怖くてとても外に持ち出せません。ということで、持ち歩き用としてもう少し小振りな万年筆が欲しくなり、迷った末に神田神保町の「金ペン堂」に行ってまいりました。
事前に「趣味の文具箱」のバックナンバーや、手持ちの万年筆本をおさらいし、大きさとデザインでPelican スーベレーン M400に決めていました。もう一度フルハルターに行ってお願いするかどうか、このところ毎日悩んでいたのですが、雑誌を眺めているうちに一刻も早く欲しくなってきました。大井町は少し遠いし、金ペン堂の万年筆も一度使ってみたいし...ということで、金ペン堂で買うことにしました。
雨の降る寒い日でしたが、狭いお店には3人ほど先客が。ショーウィンドウの万年筆を眺めながら順番を待ちます。M400は、思っていたよりもだいぶ小振りに見えました。
私の順番が回ってきたので、M400のホワイトトートイスが欲しいのだけれど、ペン先をMにするかFにするか迷っている...とお話したところ、Fでしたらお試しいただけますということで、試し書きをさせてくれました。かつては試し書きをさせないことで有名だったのですが、ご主人が代替わりしてだいぶ状況が変わったようですね。私の前の方も、ずいぶんと(私が買い終わってもまだ...)試し書きしていましたし。
少し書かせてもらってFに決めました。あまり細いものは好きではないのですが、ノートやダイアリーに記入することが主になりそうなので、「若干細目」ぐらいが良かったのです。
ペン先を決めると、いきなり「インクは何色にしますか?」と聞かれました。ブラックかブルーと思っていたので、そう伝えると、インクについて説明してくれました。
試し書きで使っているのは、金ペン堂オススメのウォーターマンのブルーブラック。ブルーブラックは、耐水性であることが多いので、インクが固まりやすいと思い込んでいたのですが、このインクはそんなことはないのだとか。逆にペリカンのブラックは粒子が粗いので、このブルーブラックに比べてインクが出にくいので、細目の書き味になること、ペン先も2ヶ月に1度は必ず水道水で洗った方が良い...とのことでした。ブルーの場合は2ヶ月半に1回、そしてこのウォーターマンのブルーブラックは3ヶ月に1回だそうです。
いつも万年筆のペン先を洗う時に気になっていたのが、水洗いした後にどの程度乾かしたらいいのかということ。多少インクが薄まるのが気にならなければ、乾かさずに使っても良いそうです。な縲怩セ。今まで私は少し乾くまで待っていました。その万年筆が使えない時間がイヤなので、洗うのもおっくうになっておりました。説明を聞きながら、これからはガンガン(?)洗わなくては...と肝に銘じます。
結局ウォーターマンのブルーブラックのインクを目の前で入れてもらって再度試し書き。これでOKということで、インクと一緒に購入し、さっそく家に帰ってすぐ使ってみました。
ホワイトトートイスの、このボディのキラキラした感じがとてもいいですねぇ。まずあらためて見た目にうっとり。
M800と比べるとやはりだいぶ小振り。持ったペンの大きさは、少し高級なボールペンぐらいの大きさです。手の小さな女性にもちょうど良い...と言われているようです。私はM800に慣れてしまい、逆にえらく小さく感じました。
書き味をM800と比べてはいけないとは思うのですが、正直申しますと、やはりM800には及ばないなと思いました。でもインクはスイスイ出てきて、さすが調整済み...というだけはあるなという書き心地です。ブルーブラックも思った以上に良い色です。
ただ、あれこれ書いていると、時々ですが空振り(書き出しがかすれる)してしまいます。これは私が万年筆で書くときに以前からあるクセのようなもの。フルハルターさんで森山さんに調整してもらったM800にはこれがありませんでした。さすがは私向きに調整されたペン先ですね。
今回のペンは、ペンの持ち方がピシャリと決まればスラスラと書けるのです。あまり意識せずいつもの調子で書くと少しひっかかるようです。金ペン堂さんの場合は、そのクセを反映させて育てていくという楽しみもあると思いますので、これから私のモデルになってもらうべく、ふだん使いの万年筆として毎日使いたいと思っています。
now and then: Pelikan スーベレーンM800 でひたすら書いています
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