禿山さん(18):アララギ第3巻第9号

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アララギ第3巻第9号

雜 詠
                   湯禿山

大君のみことかしこみはらからと睦まさらめやかの人の子を

大君の遠のみかどの民草と今日ゆ心も伸びてあれこそ

いくとせをつかへし胸の忽ちに秋の空とをはれし今日かも

谷川に子らが蟹とる水上よ河しかの聲ころゝなかるゝ

久方の天の河ぎり立ちこむる白々あけよ初かりの聲

眼ふたげば面影に立つますらをや千曲河邊の三太刀七太刀(五句は地名)→原本の注釈

むねの内にくゆる烟のいふせくもうつそみの夜をたとるわれかも

蓮たのかれはの上にゆく秋の雨の音さゆるこの夕かも

行く秋を病めるが柄にたま【たま】のよき歌かなしうたは無くとも【くの形の繰り返しのかな】

恙なくあが思ふ方にゆく水を心ともなく唯にうらやむ

淺間嶺の佐久の十里はくまも落ちず草うら枯れて秋老にけり

痩せ花のあづかに殘るかれ原や立たす佛にゆく秋の風

いねの穂の頭をかろみ鎌いるゝ力なしとふあはれみ民ら

☆☆☆

※忽ちに(たちまちに)
※烟(けむり)

今回は自然派の歌が多くてわかりやすい。
いつもこうだとありがたし。

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