禿山さん(34):アララギ第5巻第3号

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アララギ第5巻第3号

 上京
            湯本 禿山

物云へばいきも氷るかに人皆が只もだしつゝうづくまりをり

朝日子のかゞよふなべに窓に凍てしいき薄らぎて汽車甲斐に入る

魂合の友の面みるすなはちに百里の望みなから足らへり

     ◯

冬の夜を外ゆか減る子の刻み足門べ近くにいやせかるらし

にくまるゝことを恐れて良きことゝ知りつゝ元な吾が黙しけり

心には否と思ひしをよわ〱(繰り返し)しおぞの心よ言いつくろひぬ

明らかに否と答へば吾が胸のこのくゞもりははれましものを

わが一人こえにし雪のわらぐつの大くつのあと眼にちじるし

泣くといふ一つの術に悲しみをやり得る人をかなしみに思ふ

野可のそがひに殘るはだれ雪うらさぶしくも鳥一羽立つ


     雪     石原 純 選

            湯本 禿山

うつそみにつかれし心故郷の方ゆく雲をうらやみ見るも

ことさやりふた分れせし天雲のかの高山に宿り和むか

 雲を單純に假人視する考は昔からあったものゝやふに思ふ、
 但後首では比喩が稍複雜になつてゐるが、もう少し進んで頂きたい氣がする、

嵐凪ぎし朝の雲の切れ〱゛によべの名殘を思ふもかしこし

☆☆☆

ときどき上京していたらしく。

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このページは、raizoが2016年1月12日に書いたブログ記事です。

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