禿山さん(44):アララギ第6巻第7号

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アララギ第6巻第7号

 綠蔭
              湯本禿山

この丘にわがまどろまば夢はしも玉とむずぼれ綠ならまし

なくさもるたどきを知らに母上は眠りおはすとすかしけむあはれ(挽歌二首)

かへる手のま玉あはせ拝みけむ其いたいけの面影に立つ

いづべゆくあてどなけどもたゞ西のたそがるる雲に思い殘れり

重き々々抑へに堪へずこの草のゆがみ出てたるあはれならずや

しく〱(繰り返し記号)と雨ふり出でぬ飲みさしのさ湯の温みのうらさぶしかり

ふと思ひそこにうつりて離れえず飲みさしのさ湯水となりけり

飲まゝくの湯は冷えはてゝとらへ得ぬ心のゆくへわがおのゝきぬ

    ⭐︎⭐︎⭐︎

挽歌二首、「母」がこの頃までまだ生きておられたということか。

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このページは、raizoが2017年11月26日に書いたブログ記事です。

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