ケン・リュウ「生まれ変わり」:絵文字表現という新機軸も。

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日本で最初に紹介された「紙の動物園」は、文庫になる前にハヤカワミステリで読み、評判通りの良さに感心しきりだったのですが、2作目の短編集は読まずに降りました。これは日本独自編集の短編集第三弾なのだとか。図書館でみつけてさっそく読みました。


タイトルになった「生まれ変わり」が、のっけから私には難解で、理解できずに3回くらい読み直したのですが、難解であってもなにかこう独特の読後感があり、なにかじんわりと来るものがあります。

面白かったのは「ランニング・シューズ」「生きている本の起源に関する、短くて不確かだが本当の話」「神々…」の三部作、「隠娘」などでしょうか。

「生きている本…」は、AIが小説を書くことがテーマなのですが、紙の本とは…という命題にもつながって、紙の本好きには気になるお話。

そして「神々…」の三部作は、デジタルの世界で生き続ける人間の頭脳(これは他の作品でも出てくるモチーフ)、そして絵文字での会話という新しい表現もあり、面白く読めました。

SFは若い頃に読んだっきりでほとんど読まなくなりました。最近の時流を知りませんので、この作品が画期的なのか、それとも近年よくあるパターンなのかわからないのですが、SF的な要素というよりは、独特の静かな雰囲気が人気の秘密ではないでしょうか。読み終わったあとに思わずふーっと一息つくような感じです。

未読の第二短編集のほうは5月に文庫化されるようなので、そっちを読もうかなぁ。

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このページは、raizoが2019年3月29日に書いたブログ記事です。

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