今回は、開催準備でバタバタしているうちに当日になってしまいました。スタッフが集まってのミーティングのあと、旧観慶丸商店で検温&受付。もちろん全員マスクの新しい日常でスタートです。
今回は、コロナ対策で参加者が一同に集まることもなく、バラバラに受付をしてそれぞれ出店場所へ。私は今回はパナックけいていさんでした。といってもお店の前ではなく、けいていさんの脇の細い路地の奥の方で陣取ります。正確にいうと、路地の一番奥が「石巻のキワマリ荘」の「おやすみ帝国」さんが一番奥、私が路地の真ん中、路地の入り口が、第1回の時にもお隣でご一緒した「ばったりたおれ屋」さんでした。
路地が狭いので、箱をどこに置いたらいいのかが悩みつつなんとかセッティング。11時に予定通りスタートしました。
すぐ近くで「ねこフェス」なるイベントでクイズラリーをやっていて、ラリーをやる子どもたちなどは歩いているのですが、さすがに怪しい路地の奥まではなかなか人が集まりません。これはまあ覚悟の上なので想定内。
それでも目的があってきてくださる方たちも確実におり、路地の奥までそれなりに入ってきて下っさって、本もポツリポツリと売れていきました。去年よりは手応えあり。
最初に売れたのは、今回の目玉「中村とうよう 音楽評論家の時代 」(二見書房)。586ページの大作ですが、個人的には大変面白かったので、これが真っ先に売れるなんて幸先良しです。
途中、石巻日日こども新聞の子ども記者の子どもたちにも取材を受けたり、今年もでましたくみこさん(母)が、フェイスシールドとマスクを差し入れ(?)で持ってきてくれたりも。私はマスクは当然しているのですが、マスクをしてこない客につけさせろという指示でございます。
狭い路地、大混雑ということは全くありませんが、人がすれ違うのもたいへんな細い路地。できるだけ蜜にならないようにとフェンスの隙間にへばりつきながらの接客でございました。
あとから聞いたところ、よそのスポットでは子どもも多かったとのことでしたが、この怪しい路地にはあまりきてもらえなかったものの、今年は若い人たちが多かったですね。これまでも何度かきてくださっているご常連の方もたくさんおみかけしました。ありがたいです。
印象に残ったのは、まずは田中小実昌を目指してきてくださった男性。箱紹介をみてきてくださったようなのですが、なかなかここの場所がみつからなかったのだとか。ごめんなさい、でもありがとうございます。他の箱で買った掘り出し物の100円で買った文庫をうれしそうにみせてくださいました。よかったですね、それぞれが持ち寄る本の数は少なくても、一箱古本市はそういうこともあります。もちろんコミマサ本も買っていただきました。
福島からの方が「戊辰戦争とうほく紀行」(無明舎出版)を。東北ではいまなお戊辰戦争にひとかたならぬ思いをお持ちの方がたくさんいらっしゃいます。福島ですものね…と思いながら手渡しました。
元気はアロハシャツのおじさまに、なんとなく好きそうかなとモリナガ・ヨウさんの絵本「築地市場: 絵でみる魚市場の一日」(小峰書店)をお勧めしたところ、「これを俺に勧める?うわぁ買わなきゃなぁ…」とうれしそうに買っていかれたのですが、あとからお聞きしたら水産関係の方だったとか。
2冊買ってくれて「満足した!」と行って帰っていた若い方…。良かった良かった、あとは家でゆっくり読んでくださいね。
途中、つれづれ団さんの企画「ブックデリバリー」の注文の品を探す団員の方々にも、何冊か買っていただきました。毎度ありがとうございます!
今回は、自分のスポットの箱だけ拝見して、他のスポットは行きませんでした。あんまり買っちゃまずいという自制もありまして。なんだかんだとコンスタントにお客様もいらっしゃって、同じく場所が不利だった昨年よりも、人が来た印象です。来た方に、ほかはどうですか?と聞くと、それなりにお客さんいますよ…とのこと。
個人的にはお隣のばったりさんからプレゼント用の本を1冊と、もう一方のおとなりのおやすみ帝国さんとは、最後にうちで売れ残った漫画アクションと、Talking HeadsのCDを物々交換して終わりました。
表彰式や打ち上げなどは今回は無しですので、いつもより1時間早い15時解散。スポットの片付けと、石巻まちの本棚に戻っての片付けをして全て終了いたしました。終わった〜。
蓋を開けてみれば、31冊19,600円の売り上げ。1時間短かかったけれど、実は自分の9回の石巻一箱古本市史上、最高額でした。冊数としてはもっと売れた年もあったので、単価の高い本がよく売れたということですね。ちなみに、これまで金額的に一番売れたのは、第1回の時でした。ばったりさんと一緒にいると売れるのかな。
細かい部分で諸々不備もありましたが、大きなトラブルなく終えることができてほっとしました。コロナ禍の開催でしたが、やっぱり昨年よりはそもそもまちを歩いている人の数が多かった。あんなに人が歩いているのを見たのは昨年の秋の行楽シーズン以来です。連休で他のイベントもあったこと、季節的なものもありましたかね。時節柄なリモート企画もあったのは良かった。
このコロナ禍の中で、本当に無事に終わったのかどうかは、実はまだ余談をゆるさないところもありますが、少なくとも新しい日常の中でもなんとか開催できたのは良かった。ちょっと主催者目線になったところで今日はこのへんで。
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