岸本佐知子「死ぬまでに行きたい海」:世田谷代田が出てくるとは...

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石巻市図書館で借りてきました。市内の本屋さんではまず無いよなと思っていたらあったのでした。ナイス!

翻訳家でもある岸本佐知子さんの雑誌連載をまとめた本です。


最近毎週楽しみにして聴いているNHKラジオ第1の番組「高橋源一郎の飛ぶ教室」で、1月にゲスト出演されていた岸本さん。声だけ判断で素敵な方だなぁ...と思いましたし、昨年「掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集」も読み、噂通りこれまでにない小説でとても面白かったので、この本も気になっていたのでした。

国内外問わず、岸本さんがこれまで行った場所、最近のお出かけ先などにまつわるエッセイなのですが、これがまた普通のエッセイとは何か違う。岸本さんの頭の中の想像の渦のなかに巻き込まれたような結末があったりして、小説風でもあり、なにかこう最後に意表をつかれるエピソードも多々あり。さらに岸本がiPhone(...とおっしゃっていたかと)で撮影したスナップショットが使われています。

そしてなにより「世田谷代田」という章があったのが意表をつかれました。私が20年ほど住んだまちです。なにしろ「世田谷代田は小田急線いち不遇な駅だ」という文で始まります。クラスのいじめられっ子世田谷代田とまで。

嘘ではないです。最近は少しマシになったらしいけれど、一時は廃駅になるという噂もありました。岸本さんは幼少の頃に小田急の人だと聞いたことはあったのですが、そうでないとこれは書けないだろうなぁ。

東北沢の駅も不遇だったと出てくるのですが、私は東北沢よりは世田谷代田のほうが勝ってる...と思ってました。どちらも下北沢駅の前後で、結局各停しかとまらないしいつも影に隠れているということなんですけど。

というわけで、懐かしさも半分。

普通とはまた別な意味で楽しませていただきました。

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このページは、raizoが2021年2月 6日に書いたブログ記事です。

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