帯にもある通り、序章から「昭和の軍人が単調で思い込みが激しく、自制や自省に欠けていたのは、読書量が少なかったからである。」という過激な言葉からはじまります。
「納得しがたい本の書評は書かない」という著者。ありがちなあらすじや中身の紹介ではなく、保坂さんの(昭和史という歴史の中での)読み解きを教わっているような感覚です。
そもそも紹介されている本のほとんどは読んでいない本ばかり。しかも、日常的にあまり興味がないジャンルではありますが、これらの書評を読み進めているうちに、かなり左に寄っているということは承知の上で、それでも二度と戦争を起こさないためには、これらの本をもっと多くの人が読むべきではないのかと感じました。もちろん自分含め…です。
197冊のうち、読んでいたのは鶴見俊輔『「思想の科学」私史』・『まなざし』と、松本健一『海岸線の歴史』(個人的にはこちらは今一つだった)の3冊。どちらもこの本の「その他部門」...という感じですな。
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