石巻一箱古本市2021:くものす洞の一日

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石巻一箱古本市2021の箱

昨日10月2日は、石巻一箱古本市2021でした。今回は第10回、私の出店も10回皆勤です。前日まで台風の進路にハラハラさせられましたが、朝になると台風一過の快晴に。10月にしては暑いくらいの陽気となりました。


朝からテント張り、ミーティング、受付、箱準備と、今回も運営側と出店者としてと両方でバタバタでしたが、今年はまちの洋菓子屋さんChez Settaさん前で、店主の説田さん(同級生)が出店する本Settaと並んでの出店となりました。マップで言うと一番端なので、お客さんくるかな〜と最初は恐々でしたが、スタートからほどなく本をのぞきに人がやってきました。

一番最初に売れたのは、安野光雅「旅の絵本」。購入された女性の方は、この絵本のことはこれまで知らなかったとか。絵の中にいる旅人さんのことを教えてあげました。今回はたまたま安野光雅さんの本がたくさん手に入ったので追悼特集で8冊放出したのですが全て売れました。まだまだ人気が高いですね。すごいです。

昨年、田中小実昌をまとめ買いして下さった男性が再来。去年小実昌を売っていたところですよね…と声をかけていただき、「どくヤン!」(講談社)1&2巻セットを手にされたので、漫画ですが本好きだったら絶対楽しいですよとお勧めして買っていただきました。去年とはずいぶん違う買い物ですね。

戸川安宣・空犬太郎「ぼくのミステリクロニクル」(国書刊行会)はだいぶ分厚い本で売れるかなぁと心配していたのですが、いかにも本好きそうな男性に。坪内祐三さんの「みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。」(幻戯書房)も同じような雰囲気の男性に。この2冊が売れるとは、今回は本好きの方率高い印象です。

「京都・六曜社三代記 喫茶の一族」(京阪神エルマガジン社)や、辛島デイヴィッド「文芸ピープル」(講談社)、吉田五十八自邸(東京書籍)、ルシア・ベルリン「掃除婦のための手引書」(講談社)は、新刊書店「くものす洞」のご常連のみなさんに。それぞれ今回の箱の中からぴったりな本を選んでいただけた気がします。いつもありがとうございます。

ほとんど新品同様の「昆虫の図鑑」(南方新社)は、買ってはみたものの自分では物足りず、でもここで買ってくれる人いるのかなと思っていた一冊も、他の出店者さんの元へ。東京よりも昆虫が身近だからかえっていいのかもなぁ。

今回は若い方が目立ったという話も聞きましたが、地元中高年も渋い本を買ってくれましたよ。

今回の古本市に協力して下さった某商店社長は、過去4回出して売れ残っていた「イシガメの里」という写真絵本を買っていただきました。イシガメも日本の貴重なもんだからねぇ、とうれしそうにサッとピックアップ。私もすかさず「イシガメ飼っていらっしゃいましたよね?」と返すと「よく見てたね〜」と驚かれました。だって立派なイシガメでしたもの。私もいつも気になってました。

で、実は毎年ごっそり絵本を持っていくのですが、いつも1〜2冊しか売れず、ほとんどそのまま持って帰るという年が続いていました。

が、今年はキッズが多く来てくれて、しかも生きもの好き多し!だいたい私の絵本は自然科学系なのですが、自然科学系だけで11冊売れました。生きものキッズが増えてくれるとおばさんうれしいですよ〜。これからもこの路線を続けていこうと意を新たにしました。

10回目記念で、これまで石巻で売った本267冊のリストと、その時々のブログをまとめたZINEを持っていきましたが、これもお知り合いの方中心に5冊完売(1冊は取り置き)いたしました。ありがとうございます。中にはうちから本を買うのは初めてという方もいらっしゃって、それもまたびっくり。

10回目ともなると、この方は毎年来てくださる方だな…というのもなんとなく感じます。そういった方に、今回もなにか1冊でも手渡せるといいなと思うのですが、いかんせん玉が少ないので難しいですね。初心に帰ると「めざせ、とみきち屋さん」だったのですが、こうなってみると路線はだいぶはずれているなぁ。

お隣で出した本Settaさんは、本業のChez Settaの菓子店が1日中忙しく、ほとんど助っ人さんに売ってもらっていたのだけれど、それでもそこそこ本の売上もあり、なにより本業のお菓子が良く売れていた(入口で助っ人さんが、本を買いに来た人にもお菓子もどうぞと案内していた)ので、一挙両得。誘って良かった〜。店先提供もありがとう。

お店からお菓子も差し入れてもらったりしながら、15時でタイムアップ。終わってみると、午後イチは人出がぱったり途絶えて、もうおしまいかなと思ったら2時〜3時に再びピークがあって、最後は少しバタバタしました。

終わってみれば、石巻の一箱では過去最高の49冊22,150円。陰のイチオシ、ローリングストーンズのキース・リチャーズの自伝「ライフ」は、チャーリー・ワッツ追悼のつもりで出したのですが、誰も手にもとらず。ドラッグと音楽の日々は古本市には向いてなかったかな。

勝手にアワードそして、つれづれ団の企画「市民が選ぶ勝手に一箱古本市アワード2021」では「欲しかった本が買えたで賞」を受賞しました。これは一箱古本市とは別に、石巻まちの本棚内で売っている新刊書販売に対してなのですが。先日まで開催されていた「リボーンアートフェスティバル」用に仕入れたアート系の本を少し残して並べていたんですよね。すごく喜んでいただけたようで、それを知ることができたのが賞品ですね。ありがとうございます。またなにか並べようっと。

というわけで、今回は「本を買うぞ!」という気マンマンのお客様が多いように感じた1日でした。一箱古本市が「目的」になってましたねぇ。良かった良かった。

本を買いに来てくれた方達も、天気も良かったし良い思い出になったことと思います。他の箱はほとんど回れませんでしたが、そのかわりに全ての本を自分で直接手渡しできました。他の出店者さんたちも、お手伝いしてくれた助っ人さんたちも満足げでなによりでした。

そしてまた来年、11回目でお会いしましょう!

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このページは、raizoが2021年10月 3日に書いたブログ記事です。

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