石巻一箱古本市2022:くものす洞の一日

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シアターキネマティカ

第11回石巻一箱古本市、昨日10月15日(土)に晴天のもと無事終了いたしました。

朝、いつになく重たい愛用のカート引きながら、8時半に石巻まちの本棚へ。スタッフとして準備作業→応援の助っ人さんたちとのミーティング・説明→場所を旧観慶丸商店に移して出店者さんの受付(自分も)→まだ来ない出店者さんのことを他のスタッフに託して本棚へ→預けたカートで出店場所のシアターキネマティカへ移動...ここ数年毎度の慌ただしいスタートです。

今年の出店場所、石巻まちなかの新スポットでもあるシアターキネマティカは、今回のエリアの中ではぽつんと離れた所にあります。建物脇のオスジェメオスの壁画前での出店です。(壁画バックの写真は撮り損ねました。写真を撮る余裕があまり無かった...)

じゃんけんで場所決めをして、私はちょっと日差しの強い道路向きの場所に決定。キネマティカの劇場内では、つれづれ団さんによるワークショップと古本販売もありました。出店場所としてはちょっと遠くて不利ですが、キネマティカにはカフェがあり、近くにお弁当屋さんやミニスーパーもあり、食料調達には事欠きません。私はお昼は野田屋のおにぎり。始まる前にささっと買ってきました。

テントの下

11時になり、近くにいた南陀楼綾繁さんの「はーい11時、開始で〜す。」という掛け声と共に静かなスタート。関係者を除くとまわりにあまり人がいません...。一番最初のお客様は、その場の助っ人さんに開店と同時にすかさず買っていただいた萩尾望都の漫画と、山岸涼子『月読』(文春文庫)。世代ですね。その後も、カラスの声が響く町内で、ゆったりとした空気が流れていました。

お昼になるとちょっと人が増えてきました。スタンプラリーがあるので、みなさん最後のチェックポイントとして足を運んでくれます。自分が読み終えたばかりの本を出しているので「これ出たばかりですよね」と言われることもしばしば。いつもですがそういう本が一番良く売れます。これ、買いそびれてたんだよね〜という感じです。

現場の箱

昨年絵本がたくさん売れたので、調子に乗って絵本もそれなりの重量(絵本って重いのです)を持って行きましたが、お隣に出店していた「りょくし堂」さんは子どもの本はプロなので、スタンプラリーで回ってきた子どもたちは次々とそちらに食いついて行きます。結局うちの絵本はみんな大人に買っていただきました。半分くらいは売れたかな。絵本の中で一番のお勧め『稲と日本人』は、多くの方が手に取っていたのですが、最後は思いがけず若い男性が気に入って買ってくれました。

今年はZINEを作る余裕が無かったため、『石巻カメムシノート』と題して写真集を販売。目立つように置いてあったのですが、こちらもたくさんのみなさんが手に取って下さって、カメムシってこんなにたくさんいるんだねと驚かれる方が多く、カメムシに対する意識向上に貢献できたのではないかと思います。4冊用意して、1冊お取り置き希望があり、残り3冊も全部売れてしまいました。自分の分まで無くなったので増刷します。

午後になると、よその店主さんもチラホラ現れ始め、人通りも増えてきました。本棚のご常連さん、毎年一箱古本市の時に来てくださる方も。こうして毎年楽しみにしてくださる方が少しずつ増えていくといいですねぇ。

同じキネマティカで出していたもう1店舗「浦書店」さんは、200円均一で文庫をたくさん並べていて、そこから澁澤龍彦『秘密結社の手帖』を1冊。今年は他のスポットには見に行かなかったので、今回の一箱古本市で買ったのは、自制していたのでこれ1冊でした。

途中「ろぼうの本棚」という屋号で初めて店主として参加された若い女性が来てくださいました。話を伺うと、私がくものす洞として勝手にライバル視しているイオンモール石巻内の「未来堂書店石巻店」の人文書担当の方でした。ずっと男性だと思っていましたが、女性だったのでびっくり。まちの本棚や自分のTwitterアカウントなどで、あそこの人文の棚がすごいと書いていたのも読んで下さっていたそうで、励みになりましたと言ってもらいました。こちらこそ、これからも棚揃え期待してます!箱を見に行けなくてごめんなさい。

エリアのどん詰まりだったせいか、4時近くなっても駆け込みでわりと人が来て、最後まで全く売れなかった断捨離の串田孫一の本を、終了間際にごっそり買ってくださったおじさまがいらっしゃいました。石巻の方でした。ありがとうございます。

終了の4時の5分くらい前に、通りの向こうからギターを弾き、歌いながら来る方が。今回のイベント(?)の1つ、「あがた森魚 流しの弾き語り」です。歌手のあがた森魚さんが、弾き語りをしながら一箱古本市の会場を神出鬼没で巡るというものでしたが、出発がだいぶ遅れたというのは聞こえてきたので、もうここは遠いから来ないのかなと思っていましたが、最後に立ち寄って下さいました。その場にいたみなさんの手拍子の元「僕は天使ぢゃない」を歌ってくださってのフィナーレ。4時ぴったりでした。これで古本市も終了。

今年もストーンズ本マイク・エディスン『チャーリー・ワッツ論』(DU BOOKSを出しましたが、私の最近のオススメ本だったのだけれど、誰ひとり手に取らず。このあたりではやっぱりストーンズ人気無いんだなぁ。でもチャーリー・ワッツ、やっぱりいいですよ。

あらためて本日集計し直しました結果、今年は47冊24,000円の売上となりました。冊数では全体の2位、金額では1位になりました。3年ぶりに表彰式も開催され、和やかに終了。とにかく天気が良くて、お客さんもたくさんきて良かったです。

夜は、ライブハウス「ラ・ストラーダ」さんで、『僕は天使ぢゃないよ』映画上映会 + あがた森魚ライブにまで参加したので、いつになく長い一日でした。映画は、内容云々というよりは、動く大瀧さん(大瀧詠一)が見られて良かったです。

ということで...わざわざ足を運んで下さった皆様、ほんとうにありがとうございました。そして関係者のみなさま本当にお疲れさまでした。また来年!(と、出店中に一箱ご常連の方に言われました...)

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このページは、raizoが2022年10月16日に書いたブログ記事です。

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