丸山宗利『昆虫学者、奇跡の図鑑を作る』(幻冬舎):全種生体白バックにドキドキワクワク。

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丸山宗利『昆虫学者、奇跡の図鑑を作る』(幻冬舎)

久しぶりに行った石巻市図書館で見つけて読んだのですが、あまりに面白かったので自分で買い直しました。これはぜひとも手元に置いておきたい。

昆虫関連の著書多数の丸山宗利さんが、学研の図鑑LIVE『昆虫』を一から作るドキュメンタリーであります。


いや〜とにかく図鑑&昆虫好きなので、読んでいてとにかく大変楽しかった。しかもこの図鑑、普通の昆虫図鑑とはちょっと違う特徴があり、その舞台裏がまたすごいことになっているのです。

コンセプトは「全種生体白バック」。これがいかにすごいことなのかは、この本を読んでいただくのが一番なのですが、簡単に言いますと、これまでの写真図鑑はほとんどが昆虫標本を元に作られているのですが、この図鑑は、生きている昆虫をバックを白にして撮影してあるのです。しかもそれを1年あまりで撮ったという驚きの組織力が発揮されます。

白バックは最近の図鑑のトレンドで、背景に自然が写り込んでいないほうが、生物そのものの形がよく分かるということで、最近は植物図鑑でもトレンドです。

それだけならまだしも、生きている昆虫を撮影するというのがまたすごい。子どもたちが自分で捕まえた昆虫と比べるには、図鑑の写真は「生きた色と形」であったほうが良いし、生きた姿の写真に勝るものはないという素晴らしい思想!

そのために、プロアマ問わず各昆虫のエキスパートを集め、時にはSNSを通じて情報を交換し、撮影技術を向上させて、1年余りという短期間で2,800種掲載の奇跡の図鑑ができあがっていくのです。採集したり、飼育したり、しかもその過程で新種も発見されたり。いやほんとにドキドキワクワクさせていただきました。

この本を読んでしまったら、できあがったらこの学研の図鑑も買うしかないです、はい。大人ですけど。これ、コストパフォーマンス、ヒジョーに高いと思いますよ。一家に一冊!

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このページは、raizoが2022年11月 9日に書いたブログ記事です。

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