先日の『本屋で待つ』と同時に夏葉社さんから刊行されていたのがこちら、高村志保『絵本のなかへ帰る 完全版』です。昨年、夏葉社代表島田さんの個人レーベル「岬書店」から刊行された本に、3冊分のエピソードが加わり、装幀も絵本作家のきくちちきさんが手がけています。(写真右が今回の完全版です)
岬書店版を読んだ時の感想はこちら。
高村志保「絵本のなかへ帰る」(岬書店):私にとっての灯台は… - now and then
ほとんどが一度読んだことのあるエピソードのはずなのに、もうすっかり忘れている自分が情けないですが、でも裏を返せばまた新たな気持ちで読めて良かったかもしれません。
そして、前回読んだ時よりも、それぞれのエピソードで紹介される絵本そのものが印象に残りました。再読だからなのかなぁ。
新しく加わったエピソードは、大切な方を何人か亡くされるお話だったのでちょっと切なく。そしてあとがきは「オニヤンマが来る本屋」のお話。オニヤンマ、たくさんいていいなぁ…とうらやましく思いながら、締めくくりもなんとも良かった。岬書店版を読んだ方も、ぜひ完全版読んでください。
ただ、1点気になるところが。きくちちきさんの装画はタッチも色使いも独特のスタイルで素敵なのですが、どうしてもトンボの形が気になりました。ヘビトンボのような微妙な形で、イラストなんだから生物学的に正しくなくても構わない訳なのですが、トンボ好きの私にはちょっとひっかかります。いや、ひょっとするとこれはヘビトンボだったのかもしれないな。
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