Tokuzanのブログ記事 4 / 5
    
    



1 2 3 4 5

 


第3巻第6号

雑詠

 ○            湯本禿山

なく鳥ののどかにちらふさくら花まひる静かに野ゆかへる人

ほしがきによきとう柿の實なし柿實なきこともてわが罵られけり

白かねの灯静かに春の夜を琵琶ひきふけて雨もよかりき





第3巻第5号(その2)

浅葉会(信濃松本)4月會

           禿山

春の野の草のみどりをふみてゆく心の和み若やぎにけり





第3巻第5号(その1)

詠草      湯本禿山

さ庭べの井尻の水に物足らふ魚ならましを悶えあらずば

わがむねの濁らひゆゑにみるまなこくゞもりてのみ過ぎしいくとせ

中つ瀬の島なす岩に尾をふりて鶺鴒(にはくなふり)のともこひまつも

春がすみ立てる岩がねのこゞしき山も凡に和めり

春がすみたな引く末のうすらぎの空の和みになんのとりぞも

花ぐもり夢のおぼろに打ちなごみ市も里べもたそがれにけり

菅の根の永き春日を温泉かへりの幼な少女等足読たゆしも





第三巻第四号

 若みどり
          湯本政治

ついに我に逆はぬ妻をあやしくも時に物足らず思ふことあり

銀河に北する空の遠はろにのぞみ湛ふる星のかゞやけり

碧瑠璃と風のぬぐへる遠のはてにちりのくもりと鳥渡る見ゆ

春の夜の街につらなる燈火し月の光とおぼろに和めり

春なれや暮てかへるもしかすがに土の出代とむね長閑なり

柳けむるおぼろ月夜野河岸にして人のさゝめき似たる聲かも

打和み春を湛ふる若みどりから松の森は夕日浴みつゝ





第三巻第三号

 選歌   左千夫選

雑詠 ○ 湯本政治

清き湯のそこの仰伏す吾がむくろまだたのみありとわれは思へり

打ちわたすみちのゆくては天きらいたそがれさまに雪ふるさんか

新としをほがひの醉いにかへるさの眼におも白し雪ちらゝ振る

風をいたみ羽さかれ冬されの田の面をあさる庭つとりかも





選歌   左千夫選

 荒涼   湯本政治

柿の實の残をあさりはむからす嘴鳴らしなく冬の山里

もたえたえむねのあれ野の路すさび千筋のまよひかへりかねつも

うらふれてわが見る空のちぎれ雲あふこともなく黄昏るゝかな





第2巻第4号 その2

麻葉會

十一月十二日湯本禿山廬(いおり)に開く會する者四人庭前二歩の菊稍(やや)衰えたれとも聊か(いささか)同人の興を添へたり村醸を酌むて歌界を評し談論風發更下つて止む爐を囲み雑魚寝す作歌には努めざりしも「霜」「道」の二題を分て得たるところ

(柿村・麦雨・科野舍)※他の三人
 
                 政治
霜がれの河原あらはに落ちたぎつ白木綿波は見るもまぶしも





第2巻第4号 その1

選歌 左千夫 選
 北陸行       湯本政治

 礪波山を過ぎて

いとまあらば徒歩ゆきわたり信濃らのますらたけ男が跡ふまましを


 七尾にて

鹿島のやみなと七尾の汝れゆゑに静みし戀に波を起こせり(鹿島の娘子に戯れて)

朝ほらけ梶の音のどかにかまめらの床押しわけて船さかる見ゆ





アララギ第2巻第3号

北陸行
           湯本政治
旅にして月の今宵をこしの海のつらつら吾家しおもほゆ
 (注)繰り返し「〈」





アララギ第2巻第2号

選歌 左千夫選
  青木湖遊草
                  湯本政治

秋すみの湖の邊にして馬草かる鎌の音さやに吾耳にたつ
月低く湖邊あしむらほのあかりしき鳴く蟲を過ぎしかねつも
湛へたる湖の心静けきにたぐへて山の黙し居るかも
おもしろく黙し静める水海の心とも見む星うつる浪
そこひなく黙せる湖に向ひ立ちすゝろに悲し吾がいとこゝろ
湖離れくらきに見れば杜の間ゆ湖の面光り湖浮きて見ゆ
奥山の湖のべにして農の家に一湯かりつも夕つつの下
かきろひの八重棚雲に日影もれて色沈むうみの暮をかへせり


 

1 2 3 4 5




アーカイブ

このアーカイブ中の記事