ウルトラマンになった男 円谷プロダクション 小学館 2009-12-21 売り上げランキング : 4178 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
まずこの本、今の古谷敏さんの近影や、たくさんの秘蔵写真を拝見できるのもうれしいのですが、是非カバーを外してみていただきたい。ウルトラマンらしいシルバーで、カッコいいですっ!(古谷さんもウルトラマンも...)
もともとセブン派と言いましたが、セブンの隊員の中で一番好き...というか、あこがれていたのはアンヌ隊員でした。いちおう女子でしたので、最終回のダンとの別れのシーンが特にお気に入りで、ビデオを持っていなかった当時、最終回をカセットテープに録音し、何度も何度も聴いていました。
その次に好きだったのが、かっこよくて、背が高くて、足が長くて、やさしそうだったアマギ隊員です。こんなカッコいい俳優さんなのに、どうしてウルトラマンの中に入ることになったのかなぁ...と思っていました。この本が出たことも、発売の時から知っていたのですが、よくあるウルトラマン人気に乗じた回顧録なのかな...と、スルーしておりました。しかし、チラホラと本の評判を聞き、重版になったところで買って読んでみることにしました。本の帯にも「大反響につき緊急重版」とあります。
さてこの本の内容はといいますと、ウルトラマン役として、俳優として顔を出さずに出演した話を中心に、当時の撮影秘話のような形で話が進行します。
もちろん古谷さんが、ウルトラマン役になるいきさつも書かれています。そうか、やはりあの日本人離れした体型だったのですね。細身で足が長いですから、見栄えがします。セブン役だった方には申し訳ないですが、子供心にもセブンはちょっと寸詰まりで足が短いな...と思っていました。マスクもちゃんとご本人の顔の型をとって作られていたのだそうです。
読み始めると、ウルトラマンの裏話というだけの本ではありませんでした。俳優古谷敏が、ウルトラマン役を演じることに大いに悩みながらも、周囲のスタッフや子供達の応援に支えられて、ウルトラマンという歴史に残るヒーローが誕生したということが、古谷さんの目を通して語られています。読んでいて古谷さんのまじめでやさしいお人柄が感じられ、周囲の方々への感謝の気持ちが語られている文を読むうちに、不覚にもちょっと涙がでてきました。感涙です。
この本の中のウルトラセブンについての章の中で、アマギ隊員が活躍する「悪魔のすむ花」の話が出てきます。まだ子役だった松坂慶子が出てくる話で、私もこの話は印象に残る作品です。ちょっとうれしいエピソードでした。
この本を読み終えて、今、ウルトラマンを見直したら、きっとウルトラマンの中の古谷さんを想像しながら、ウルトラマンの動きばかりに目がいってしまいそうです。かわりにとりあえずセブンのDVDでも見ようかと思います。我が家に4枚あるセブンのDVD、本当はセブンの作品を全部揃える意気込みで買い始めたものが尻すぼみになった残骸です。これを機会に残りを買い集めようかな...。
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