夏葉社さんから自費出版として出版された「見える光、見えない光 朝永作品と編集者」が届きました。夏葉社さんらしい装丁でステキですねぇ。
この本は、朝永振一郎さんの本を編集者として作ってきた松井巻之助さんと、朝永さんのお話です。
今年は『神様のいる街』『山の上の家』『90年代のこと』と3冊の本をつくりましたが、自費出版の本もつくりました。『見える光、見えない光 朝永作品と編集者』(中桐孝志著)という一冊です。朝永振一郎の著作に尽力した編集者の仕事をオールカラーの図版で紹介した、綺麗な本です。定価2300円+税。 pic.twitter.com/BtC0CurOSD
— 夏葉社 (@natsuhasha) 2018年12月28日
私は以前、古本屋さんで物理学者エッセイをみつけると、ちょいちょい買っていました。寺田寅彦、中谷宇吉郎、湯川秀樹…そして朝永振一郎です。
朝永振一郎は、高野文子さんのマンガ「ドミトリーともきんす」にも登場していましたね。
高野文子「ドミトリーともきんす」なんと自然科学の読書案内だったので感涙。 - now and then
この時のブログにも書いた、朝永振一郎「量子力学と私」もその後買ったような覚えがあるのですがみつかりません。その頃、代々木上原の幸福書房で、やはり朝永振一郎の「プロメテウスの火」を買うか買うまいか悩んだ覚えがあります。(幸福書房さんはみすず書房の本がいつもたくさん並んでいたのです。)
その朝永さんの本、みすず書房からたくさん出ているなぁとは思っていましたが、この松井さんの存在があったからだったことを知りました。松井さんと朝永さんは、松井さんが勤め先を変えても著者と編集者の関係が続き、おつきあいが始まってから、みすず書房に移るまでのことが書誌情報と図版も含めて紹介されています。
一気に読み終えたあと、自分の持っている朝永本を引っ張り出してみました。1冊は「庭にくる鳥」ですが、調べてみると買ったのはこの時ですね!(そうそう、このときにまだ善行堂を開く前の山本善行さんもお見かけしたり。)
今回京都で買った本 - now and then
あらためて本を開いてみますと、まえがきの本当に冒頭に
この本がでることになっていたいきさつはこうである。今年の正月ごろみすず書房の松井巻之助くんがやってきて、どうです、もうそろそろたまったでしょうという。
とあります。いきなり松井さんが登場していてびっくりしました。あとがきに編集者の名前が出てくることはよくありますが、まえがきでいきなり名前が登場するのですから、お二人の交流が深かった様子がうかがえますね。
「鏡の中の物理学」の一文も、この本の最後に載っています。子ども向けにやさしい文章で書かれているのですが、物理が苦手な私にはやはりどこか理解しにくいところもあり、こんな私には「量子力学」を読むなんてやっぱり無理かもしれません。
おっと、だいぶ脱線しましたが、松井さんのみすず書房時代のお話も是非とも知りたいところですので、続編を期待しています!
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