東京国立博物館の特別展「書聖 王羲之」は文字に興味のある方は必見。

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トーハクくんユリノキちゃん。東京国立博物館で「書聖 王羲之」を観てきました。副題は「書を芸術にした男」、英語のタイトルは「Wang Xizhi : Master Calligrapher」です。カッコイイ!

<特別展>書聖 王羲之 | 東京国立博物館 平成館

地味な特別展だから、平日にいけば楽勝だと思ったのですが、会場内は、書道おばさま(一部おじさま)と思われる方達や、本館の円空展から流れて来た人たちで意外と混雑しておりました。(写真は本館をバックにしたトーハクくんユリノキちゃんです。)

そもそも王羲之って誰だ?という方がほとんどかと思います。西暦でいうと300年代、西晋から東晋にかけて活躍した貴族で、書に巧みであったことから、歴代の中国の王、特に唐の太宗皇帝に好まれ、その結果、その書は現代に至るまで、1700年近くにわたって尊ばれたというわけであります。

私が王羲之を知っていたのは、高校に入る頃までお習字を習っていたからです。高校になると大人の部になり、先生に言われるがまま、王羲之の書をお手本にして練習させられました。他にも欧陽詢とか隍嚼距ヌだったかなぁ。私の中では書道の一番偉い人という位置づけでありました。

あれからもう何年も経ち、今は「書」とは全く縁のない毎日を送っているけれど、フォント好きのルーツの一端が「書」にあるのかもと思っておりまして、日本語フォント、特に明朝体や草書体系の善し悪しやバランスは、やはりこういった書のスタンダードからも大きな影響を受けているに違いないわけです。

そんなでしたので、大好きな国博で王羲之の特別展があると聞き、「絶対行く!」と心に決めておりました。でもまじめにまとまって書を見に行くのは初めてかもしれないです。根岸にある中村不折の台東区立書道博物館(ここのコレクションも多数展示されています)には行ったコトはあるのですが、それは正岡子規関連の展示があったからで、博物館では「書」のコーナーはあまりゆっくり観賞したことがありませんでした。

実は王羲之の書は、肉筆の書は現存しないのだそうです。なにしろ1700年近く前のヒトですからそれも仕方がありません。現存しているのは、長年にわたり、繰り返し模写したり、石碑や木彫りにしたものの拓本を取ったりしたものなのです。長縲怩「間、そうやって常にお手本であったのです。

今回出品されたものも、もちろんそんないわゆる複製ばかりではありますが、そうではあっても王羲之の書かと思うとオーラが漂います。公式な文書ばかりではありません、ちょっとした個人的手紙に至まで収集されていまして、バラバラな手紙や短文が巻物に集められ、それを多くの人が書のお手本とし、永く伝えられてきました。中国のお歴々の朱印が押され、華々しい所有歴が刻まれたもの、様々なバリエーションのある有名な蘭亭序など、私の知らないことばかりだったけれど、とても勉強になりました。いやいや良かった良かった。

感化されやすい私は、むくむくと書道への興味も湧いてきまして、いつかまたやってみたいなぁ…と思っております。台東区立書道博物館でも「不折が学んだ、書聖・王羲之」(不折=書家であり画家でもあった中村不折。正岡子規とも交流があり、ご近所さんだった)も開催中で、そちらにも行ってみたいところです。

とても地味な特別展ではありますが、書そして文字に興味のある方は、是非足を運んでみてください。漢字の国に生まれて良かったなぁ…と感じられますよ。

ということで、(王羲之風に)頓首頓首。

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このページは、raizoが2013年2月 2日に書いたブログ記事です。

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