それでは、年末に紹介しきれなかった2006年最後の坂の旅を...。
今回は港区の坂...ということで、初めて降りる比較的新しい地下鉄駅「溜池山王駅」へ向かいました。坂道のコースは霊南坂から始まっているのですが、今回はそこはカットしてアークヒルズ西側の「スペイン坂」(054)からスタートです。この坂は、スペイン大使館へ向かう坂ということで名付けられた、比較的新しい坂です。確かに並木が再開発風。
前述のスペイン坂に沿っている細い坂が「道源寺坂」(055)。周辺を高層ビルに囲まれ、すっかりビルの谷間にはまっている道源寺の壁に、蔦がからまっていました。かつての「わびしさ」とは意味の違うわびしさを感じます。
坂を登って進むと、港区らしい都会的町並み。ちなみにこのあたりは住所が港区六本木です。住友財閥関連の泉屋博古館分館の脇の道を進むと、つきあたりはスウェーデン大使館。左に曲がって進むとスペイン大使館があるので、これだったら先ほどの坂は本当はスウェーデン坂では?と思いながら右へ。
最初の角を右へ降りるのが「御組坂」(056)。この坂の下のあたりに永井荷風の偏奇館があり、荷風が25年間住んでいたのですが、今では道路になってしまったそうです。正面は泉ガーデンという住友の巨大な再開発ビル。
坂の上から先に進み、アーク八木ヒルズをみながら道なりに進むと首都高速のある通りに出ます。左折すると「行合坂」(057)。写真は少しわかりにくいのですが、首都高の下にちょっと降りてまた登るような坂があります。あまり古い坂には見えなかったのですが、首都高の橋げたの下になってしまったからでしょうね。
この坂の一番谷から左に延びているのが「落合坂」(058)。あまり高低差がありませんが、今まで歩いてきたところとは違って、ちょっとした路地の雰囲気があります。とはいえ、このあたりが麻布台です。
途中の十字路で、左に曲がると「我善坊谷(がぜんぼうだに)坂」(059)。なんだかすごい名前ですが、坂上のマンションがどうも主張しすぎている館がありますが、それ以外はなかなか風情のある坂です。坂の途中に花屋さんがあったり、坂の途中のカーブには、最近めっきり減ったアオキの生け垣が。坂の上も緑が多くて良い坂でした。
(つづく)
<我善坊谷坂>
![]() | 永井荷風という生き方 松本 哉 集英社 2006-10 by G-Tools |
コメントする