ラスト・チャイルド (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1836) ジョン・ハート 東野さやか 早川書房 2010-04-09 by G-Tools |
最初は平行して読んでいたのですが、私はどうもカタカナ名に弱くて登場人物が覚えられないため、2冊分カタカナ名を覚えるのは大変だったのと、話がゴチャゴチャ混じってきてしまったので、途中で「ラスト・チャイルド」から先にマジメに読むことにしました。そして先日「ロードサイド・クロス」のほうもやっと読了しました。これ、読んでいるとすぐ眠くなってしまうので、毎日少しずつしか読めなかったんです。
どちらもミステリーですから、あまり詳しくは内容を書きませんが、2冊を比べると、私の中では「ラスト・チャイルド」が圧勝です。
「ロードサイド・クロス」はどうも話の中に入り込めず、毎日すこしずつしか読めなかったのもそのあたりに原因があったのかもしれません。事件もそれなりに派手で、主人公のダンス捜査官も魅力的ですし、ストーリーにも一筋縄では終わらない仕掛けがあるのですが、それがオモシロイということにはならなかったんですよね。なんとなく。
ただ、事件が「ブログ」が舞台になっていて、アメリカでのブロガーの位置づけが、かなりジャーナリスティックなものなんだなというところは興味深く読みました。日本では(私も含めて)日記的なブログが圧倒的なので、ただブログ、ブログと言っても日本とはちょっと違うんだなと。
事件も、ネット上のいじめやら、オンラインゲームでの仮想世界などがからんでくるのですが、そんな流れもどんどん変化してしまうのが今のネット社会。それが、作者の実体験に基づくものではなく、緻密に調べた結果だったためか、どうもリアルな感じが今一つで、そこが私にとっての今一つ感の原因だったのかもしれません。ネット社会の怖さで言えば、リンカーン・ライムシリーズの前作、「ソウル・コレクター」のほうが、現実にありそうで怖かったです。
逆に「ラスト・チャイルド」のほうは、イントロからしてひねりがあって、出だしはなかなか取っつきにくかったのだけれど、中盤からどんどん乗ってきて、ストーリーを堪能できました。驚きをもってラストを迎え、読み終わった後も余韻が残るお話でした。特にナゾの大男が良かったなぁ。グリーン・マイルの死刑囚を思い出しました。
ハヤカワのポケミスも数年ぶりだと思います。なぜか同じ内容で上下2巻に分かれて文庫でも出ていますので、どちらかお好きなスタイルをどうぞ。
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