この映画の原作というわけではないけれど、モチーフの1つであった堀辰雄の小説は全く読んだこと無し。堀越二郎の「零戦」だけは事前に予習して望みました。
今、本屋さんでは、この映画を機に堀越二郎と零戦の本の大キャンンペーンの様相で、関連本やムックが次々出版されていますが、思いのほか零戦色は薄かったように感じました。そのつもりで見に行くと肩透かしかもしれません。でも堀越二郎の本で予習していって良かったです。どこの部分が史実なのかがよくわかりましたから。
零戦うんぬんというよりは、飛行機を愛する青年の話でしたねぇ。菜穂子さんとのお話はもちろん切ない訳で、号泣というわけではないけれど、ジンジンさせられながらお話がふわっと終わってしまいました。もっと戦争のこと、軍のことが大きくからんでくるのかと思っていたのですが、そこは宮崎監督の妙で、さりげない主張になっていたようです。
アニメ監督庵野秀明が声を演じた堀越二郎も良かった!周囲の出演者とは全く別の不思議な存在感が出ていて、抜擢大成功だと思いました。最初は違和感があったのですが、見ているうちにすぐ馴染んでしまいました。
そういえば…実は私、ライト兄弟に憧れた時期があって、リンドバーグの「翼よあれがパリの灯だ」(私は高校の図書館で読んだのですが、今は絶版で古書価格が高いのにびっくり!)にも感銘を受け、高いところは嫌いなくせに、航空工学科にも憧れた時期もあったのでした。しかし物理が全然ダメだったので、すぐに諦めました。すっかり忘れていましたが、堀越二郎の本を読んでいて思い出しました。
宮崎駿の描く空飛ぶキカイ、昔から大好きなので、飛行機がたくさんでてくるこの映画は、そういう意味でも楽しめました。いつも「空を飛ぶ憧れ」が本当に楽しそうに描かれていると思うのです。なので「紅の豚」も私の中では評価が高いのであります。
それと…少し前に読んだ(見た?)宮崎駿のインタビューで、背景にする昔の日本の風景の話があったのですが、今の風景を使うと外来種ばっかりになるという話をしていました。庭の外来種を頑張って引っこ抜いたら何も残らなかった…とかそんな話をしていたような。そしてこの映画、よ〜くみると、雑草でもさりげなく日本の在来種がクローズアップされていますよ。オオバコとかユキノシタとかカタバミとか。あ、ちゃんと映画の背景で実践しているんだなと思いました。
同行者の点数は95点。近年にない高得点でした。私としても、もののけ姫や千と千尋よりは断然よかった。もう1回見に行ってもいいかなと思ったけれど、次はたぶんスター・トレックを見に行くことになりそうです。
宮崎駿が表紙の絵と書き下ろしの解説を書いたこちらも、宮崎&飛行機好きにオススメです。
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