いよいよ2013年も押し詰まり、新聞雑誌で今年のベストテン企画真っ盛りです。私が気になるのはやはり「本」。自分が読んだ本がリストに入っていると、ちょっとうれしかったりします。
今年は私の「この3冊」(毎日新聞風)をピックアップしてみたいと思います。まず今年イチバンから…
小津安二郎の映画で、小津と共同で脚本を執筆した野田高梧。小津はその野田の蓼科の別荘で脚本の執筆をしていました。野田ばかりでなく、別荘に訪れた人々も書いていた「蓼科日記」から、小津をはじめとした映画関係者に関連する部分をピックアップしてまとめた労作です。とにかく蓼科での日々の様子が楽しかった。シナリオの生みの苦しみもあったのだと思いますが、楽しい山荘生活がそれを救っていたのだろうなと思わされました。自費出版で部数が少なく、あっという間に売り切れてしまいましたが、貴重な記録でもあり、良書ですのでぜひ再販してもらいたいものです。
「蓼科日記 抄」メールを出すように電報を打つ時代。 - now and then
震災関連の本は、いまだ終息しない原発関連を除くと、今年の3月以降はめっきり少なくなり、ほとんどが年の前半に集中ました。その中でもこの本は「震災」と漁業についてばかりでなく、これまでの経緯から、今の「漁業」のおかれている状況も伝える内容です。決して成長産業とは言えない漁業ではありますが、三陸にとっては大切な産業であり、沿岸の集落の存続は漁業と表裏一体です。以前から現場を歩いて調査されている著者の言葉は説得力もあり、これからの漁業について考えるよい機会になりました。基本は漁業経済の本なのですが、人文的要素も十分あります。
あと1冊に悩みましたが、今年は「本の本」「本屋さんの本」がたくさん出版され、私もかなり読みましたのでその中から1冊。古ツアさんの本も古本にどっぷり漬かることができて良かったのですが、エッセイとしてゆったりとした文章の流れがなんとも心地良かったということで、内堀さんの本にしました。おまけで新書のベスト1はこちらかな。
ちなみに…amazonでは「蓼科日記 抄」付のブルーレイを販売しているようです。ブルーレイ付の本だと思えば安いのか?
【Amazon.co.jp限定】 「秋刀魚の味」 小津安二郎生誕110年・ニューデジタルリマスター(「蓼科日記 抄」付き) [Blu-ray] 松竹 2013-11-27 by G-Tools |
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