アララギ第2巻第2号
選歌 左千夫選
青木湖遊草
湯本政治
秋すみの湖の邊にして馬草かる鎌の音さやに吾耳にたつ
月低く湖邊あしむらほのあかりしき鳴く蟲を過ぎしかねつも
湛へたる湖の心静けきにたぐへて山の黙し居るかも
おもしろく黙し静める水海の心とも見む星うつる浪
そこひなく黙せる湖に向ひ立ちすゝろに悲し吾がいとこゝろ
湖離れくらきに見れば杜の間ゆ湖の面光り湖浮きて見ゆ
奥山の湖のべにして農の家に一湯かりつも夕つつの下
かきろひの八重棚雲に日影もれて色沈むうみの暮をかへせり
墓参
代々の親の靈にはづらくさすらへの年の二十年なすこともなく
なつ山の青葉若葉のしみゝにも遠つみ遠つみおやのまをこふらく
うつそみに望うせにしぬば玉の心のやみにうたはらね
○
夕立の晴れゆく空とほからかにむね開けこそ男子といふもの
☆☆☆
あいかわらず、意味が理解できない歌もアリ。
最後の歌は珍しく男らしい。
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