第2巻第4号 その1
選歌 左千夫 選
北陸行 湯本政治
礪波山を過ぎて
いとまあらば徒歩ゆきわたり信濃らのますらたけ男が跡ふまましを
七尾にて
鹿島のやみなと七尾の汝れゆゑに静みし戀に波を起こせり(鹿島の娘子に戯れて)
朝ほらけ梶の音のどかにかまめらの床押しわけて船さかる見ゆ
永平寺詣
大寺の昏皷(こんく)のひゞきとゞろとゞろ現さながら遠のくおもほゆ
大寺のしゞまの極み者よろづ。寂寞に入りし天の星原
えにしありて1夜のやどり大寺のあかどきの闇に参禅するも
敦賀にて
波の音松の琴に和みつゝ祝ひまつらふいでまし所(氣比の松原行在所)
うつゝなく偲ぶ心に物みながいにしへ語る心地するかも
秋はれの角鹿の海の立石岬まながひに見ゆる神の庭かも
☆☆☆
旅行もけっこう行っていたのですね。
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