すると、すでに紀伊国屋書店でみつけて読んだばかりの「フンコロガシ先生の京都昆虫記」があって少し驚く。なかなか理系の本は並ばないのにこの本が、しかも2冊並んでいるとは!
ちなみにこの本は、私の好きなフンチュウ(フンコロガシ)の先生、塚本先生による、地元の京都の自然と昆虫についてのエッセイであります。京都の中心には御所という緑に囲まれた場所があり、さらに京都市街のまわりはぐるりと山に囲まれています。
すでに研究生活からは引退されているのですが、市内でオオムラサキを探したり、御所の自然観察を続けつつ、アオバズクの食痕(どんな昆虫を食べているのか…)を調べたり、子供の頃や学生の頃に昆虫採集をした場所をたずねたり(ほとんどが見る影もなかったりするのですが)、虫屋さんはいくつになっても虫屋さんだなぁと、ムシ好きとしては大いに共感いたしました。
しかしそんな京都も、近年昆虫達が生きていく環境(複合的なバランスです)が少しずつ失われている様子、それを感じて先生も少し気落ちしている様子が伝わってきます。ムシも住めない土地になるなんて、私はとんでもないことだと思うけれど、本来益虫のクモの殺虫剤(虫ではないのですが)まで市販されているところをみると、多くの日本人は、ムシの類はいなくなって欲しいと思っていいるんだろうな。少し悲しい。
というわけで、すでに他で購入した本が並んでいると、ここで買えば良かった…と、なぜか申し訳ないような気持ちになりつつ本日は2冊。どちらもきっとあるだろうと思っていた2冊でした。
出版人シリーズはいつも幸福書房で買うのですが、そのせいでどこか出版関係のヒトだと思われていたようです。いえいえ全然そんなギョーカイ人じゃないんです、ただの乱読本好きです。
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