アララギ第4巻第4号
雜 詠
湯禿山
年まけの物調ふるゆきかひのちまたのどよみ其一人われも
子期ゆきて伯牙のを琴耳なしとつるたゝまくもおもほゆるかも
朝さむみ床いでかてにいすくみて吾するいきの枕に氷れり
村里のどんどたく火のもゆらくに若き日のこひ一人ふふみぬ
學校に通ふわく子らあさ寒み刻み子足にまろどよもすも
水草うく渚邊靜かにて白かもめ夕月を斜めに浮きて居るかも
朝な朝な(繰り返しの「く」)なくみそさゝゐ看護するわが耳の門にきゝのさふしも
ふるさとの道のすがらに子らが遊ふ紙鳶手傳ふやむかし偲はゆ
「課題の歌」
課題『歸る』 柿乃村人(島木赤彦)選
湯禿山
かへり行く友の行ゑよ草はらのしげみにきゆる河とはろけし
門のべに立ちまつ人もあらなく影をたどきと夕かへるかも
☆☆☆
※50ページ 消息の欄に
「〜禿、胡、本、諸君の健在是祈り候。」とあり
☆☆☆
久しぶりの禿山さんである。
アララギの巻末には、他の短歌雑誌の広告も載っている。「心の花」には禿山さんも投稿していたようなのだが、なんと白蓮も「心の花」に投稿していたらしい。正岡子規も短歌を投稿していたそうだし、いつかその頃の「心の花」も読んでみたいものである。
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