アララギ第4巻第6号 その1
此日頃
湯禿山
卜居
いそのかみ年ふる寺のかたはらに杜のあるじとわれなりにけり
大寺の青葉吹くかぜ見のよろし聞きのよろしき青葉ふく風
たま〳〵(たま)にちまたのどよみ漏れ來るをうつそみの世とかゝはる吾かも
いそのかみ古き都の法の會にあるじはゆきて一人寺もる
とほき世にゆきてかへらぬ友の身を現(うつ)しくもひつゝ寺守るわれは
うちゆらぐ青葉さやけみこ宵を月讀のひかり吾にもれ來も
遠足
初夏の若葉の晴れ教へこの少女がむれと遠あゆみすも
百たらず九十九谷の若葉かげをとめのともは並てゆくなり
にひみどり若葉の森のさゆらぎに赤裳を引きておとめ等ちらふ
つゝじ花しみ咲く岡のくれなゐに人こひしさのありがてぬかも
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女学校の先生だった禿山さんらしい遠足の歌。
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