実はお店には行ったことがありません。数年前に日帰りで盛岡に行ったときは、まだBOOK NERDさんの存在を知らず、古書店ばかり巡って帰ってきました。次に盛岡に行くときは是非行きたいと思いながら実現せず。
で、こちらの本を読ませていただきました。手に取りやすい
日頃インスタなどを拝見し、なにごとにもセンスが良いし、選書もカッコよく、とてもまねできない(まねするつもりか?!)といつも思っていました。
その早坂さんの今ができるまで...ということで、お店を始めるまでのこと、お店を始めてから現在まで、プライベートや経営的なことまで含めて思いのほか赤裸々な内容です。誰もがこれをそのまま参考にできることではないと思うけれど、これまでいくつかあった「就職しないで生きる本」の中のひとつとして、新たな1冊が加わりました。
ただなんとなく生きてきた...と、出だしではおっしゃっていますが、そうは言っても、今の早坂さんがあるのは、それまでのまわりみちもあるけれど、やはり若い頃の読書遍歴やカルチャー体験が?と感じました。すぐれた本しかない本屋さんをやりたい...というのは、優れた本が何なのかわからないとできないわけで。
そんなところは、誠光社の堀部さんに近いものも感じました。
夏葉社さんの新刊:堀部篤史「90年代のこと―僕の修業時代」 - now and then
考えることをやめないために本を読み続けるという早坂さん。BOOK NERDのお店を続けることにおいても、センスだけで人が集まっているのではなく、常にいろいろと考えてきた結果が出ている...ということなのでしょう。それにこの本を出版したということそのものが、早坂さんの新たな戦略の1つなのかもしれません。
巻末には早坂さんを作った50冊の本のブックリストがついています。
最初は、海外文学がゾロゾロでしたので、もう全く重ならんわーと思っていたけれど、最終的には結局私も読んだことがあったのは、山口瞳「行きつけの店」、串田孫一「山のパンセ」、花森安治「一箋五厘の旗」、レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」、永井宏「マーキュリー・シティ」の5冊でした。逆に私のほうの嗜好がわかりますな。
でも、10分の1でも交わるところがあったのは、ちょっとうれしいです。
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