くみこさん(母)と、11月3日にオープンしたばかりの、石巻市博物館に行ってきました。石巻市博物館は、「マルホンまきあーとテラス」という石巻市の複合文化施設の中にあります。
この博物館の前身は、石巻文化センターというところで、旧北上川の河口にありましたが、震災の津波で被災。10年を経て再スタートしたということになります。
石巻文化センターには20代〜30代のころに何度か行って、展示も見ているのですが、当時は展示にはあまり興味がわかず、石巻出身の彫刻家、高橋英吉の作品と、地元の稀代のコレクター、毛利総七郎が収集した毛利コレクションの展示で、縄文時代の矢じり(市内は縄文遺跡も多いのです)が並んでいたり、漁労や農業の民俗資料なんかがあったよな…ぐらいの印象でした。震災前は近くは通っても中には入らなかったなぁ。
その後、なんやかやと博物館好きになり、石巻に戻ってきてからは石巻の歴史にも興味がわいた今、あらためてこの新しい博物館の展示をみて、素直に「良かった〜」と思いました。
縄文時代の出土品の多さ(これも一部は毛利コレクションだったりしますが)も、昔は全くピンと来ていなかったけれど、今になってみればたいしたもんだなと。縄文時代から人間にとって住みやすかったということですよね。
高橋英吉のことも、ここ数年でいろいろ知ったあとにあらためて作品をみると、また違った印象を受けました。(こちらは、英吉が戦地で作った遺作)
個人が収集したものだけで博物館ができてしまうほどの毛利コレクションの凄さもあらためて実感しました。マッチラベル(あぁ、ページをめくってもっと見たい!)や駅弁の包み紙などの紙モノから、学術的にも貴重なアイヌ資料や、私の大好きな根付けまで。
とにかくイロイロたくさんあるそうなので、今後はこの博物館の企画として、コレクションの全貌を見せてもらいたいです。
やっぱり博物館は楽しいです。本や写真ではなく実物を見ることの良さを感じました。ボリュームとしては少し物足りなさは感じましたが、それももっと深く知りたいなという欲求がゆえのこと。(この古地図、真ん中少し左上の「新田町」は、私が今住んでいるあたり)
今回の企画展示は「文化財レスキュー 救出された美術作品の現在」。被災して修復された収蔵物を中心にした展示でしたが、修復の様子のほか、被災当時の市の学芸員の生の声が、証言として要所要所で展示されていたのが印象的でした。
今回は時間があまりとれませんでしたので、常設展はざっとみただけとなってしまいましたが、次回はそれぞれの展示をもっとじっくりと見たいと思っています。
コメントする