渋谷のユーロスペース跡にできたシアターN渋谷で、「ホテル・ルワンダ」を見てきました。商業ベースでの公開は一旦は見送られたにもかかわらず、mixiのコミュニティを発端として公開にこぎつけて、マスコミ等でも話題になっています。主演のドン・チードルがアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされていたのは去年ですね。
シアターN渋谷に行くのは初めてです。元のユーロスペースには何度も行ったことがあるのですが、最近は足が遠のいており、あのあたりに行くのは数年ぶり。近隣にアニメイト渋谷店が2店舗あって、今までにない客層が近くを歩いていたのでびっくりしました。
そしてこの映画、話題性もあってか上映回数も増え、2室を使っての併映。平日日中でも老若男女で満員です。週末もかなり混雑しそうですし、これからもじわじわと人が集まりそうなので、ロングランになるのではないでしょうか。
会場内、最後にはすすり泣く音もチラホラ聞こえてはいましたが、個人的には「泣く」という以前の重い内容だなぁと感じました。ルワンダの高級ホテルを舞台にしてこのぐらいの状況ですと、実際の町や村の状況は想像を絶することになっていたわけで、トキュメンタリー的に見るとまだまだ生ぬるいのかもしれませんが、大国や国連の現実を見せつけてくれるという意味では大きいと思います。
武器を売ったり、軍を支援しているのは中国や欧米諸国。(これだけは日本は荷担していないのかな。)イラクには石油があるけれど、ルワンダにはゴリラ・ツアーぐらいしか無い。映画の中で、フツ族の人達が、当時虐殺の対象だった「ツチ族」のことを何度も「ゴキブリ」と読ぶのですが、欧米諸国から見ると(失礼な言い方で申し訳ないのですが)ルワンダという国自身が「ゴキブリ」同様に思われて見捨てられてしまったのかもしれない...。
これは10年ちょっと前の話で、私も部族間の争いで大勢が殺されて亡くなったことはニュースで知っていましたが、なんだか遠いかなたの出来事として認識していただけでした。世界の情勢について何かアクションを起こすことはなかなか難しいことですが、その時何があったのかを知るだけでも、なにかが今後につながるのではないかと思いました。うまく言えませんけど。
主演のドン・チードルは、本当に素晴らし演技をしていて、ドキュメンタリー(現実はもっと違うと思いますが)のようにも見えました。主演をデンゼル・ワシントンに...という話もあったそうですが、デンゼルはすっかり「アメリカ」のイメージがすり込まれてしまっていて、ちょっとイメージの違う映画になったかもしれません。
さて最後に、これから渋谷へ見に行く方へ...シアターNはミニシアターですので中も狭く、前の人の頭で字幕が見えにくいことが多いのです。字幕はスクリーンの下に表示されますので、それを計算して席を決めることをオススメします。私は背伸びをして、妙な角度で見ていたら、肩が凝ってしまいました。後ろの方の席の人達はみんなそんな感じで見ていましたので、かえって前の方のスクリーンの真ん前のほうが見やすいかもしれません。
こんばんは、TBさせていただきました。
私も泣くというよりは、考えさせられた作品でした。
遠い国の話ではありますが、この様な事は大なり小なり何処でも起こりうる、人間の本質を描いた秀作だと思います。
この映画はまだ観ていないのですが、
以前、NHKのドキュメンタリーでルワンダ内戦の
放送していました。
今まで遊んでいた友人が
ある日、突然こん棒を持って
襲ってきて、
外見上の区別、大人、子供の区別なく
殺しあう惨状は本当に恐ろしいです。
人間ってやはり一番こわいですね。
のらねこさん、てらむらさん、コメントありがとうございます。
この映画、思い返してみると殺し合うような残虐シーンはチラリとしか出てこないにもかかわらず、十分その恐ろしさが見る側に伝わってきます。そういう意味でも、映画の「表現力」をあらためて感じております。