銀座並木座―日本映画とともに歩んだ四十五年 嵩元 友子 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
以前ご紹介した「東京生活 no.8 代々木上原」での幸福書店の紹介記事で、おすすめの本は必ず2冊ずつ並べている...という話が出ていましたが、この本もちゃんと棚に2冊並んでいました。
冒頭は「どうして客席に柱があるんだろう?」という文から始まります。私も初めて並木座に足を運んだときは、まさしくそう思いました。100人にも満たない客席の隅にデーンと柱が立っており、場所によってはスクリーンが見にくくなるのです。今となっては懐かしいその柱の写真ももちろん掲載。復刻版「NAMIKIZA Weekly」も綴じ込まれ、有名な小津安二郎の「豆腐屋」のお話も読めます。関係者のインタビューを交えて並木座の歴史を振り返る内容です。
銀座の並木座には、私もかつて、小津安二郎や黒澤明の映画をよく見に行きました。まさに戦後の昭和を感じさせる並木座で小津の映画を見た後、余韻を感じながら銀座の街を駅まで歩くのも、誠に良い体験だったなぁ...としみじみしながら読みました。
内容の3分の一は、並木座の全上映リストなので資料的な部分も大きいのですが、かつての並木座ファンにはオススメです。
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