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山中貞雄が監督した映画で現在私たちが見ることができるのは、たった3本のみ。多くが戦前の作品であったため、ほとんどフィルムが残っていないのです。でも今でも語り継がれるぐらいの監督です。残された3本の作品からだけではわからない「山中貞雄」を知るにはぴったりの本だと思いました。
同じく映画監督である筆者の加藤泰はなんと山中の甥。監督としての加藤泰は知っていましたが、山中貞雄の甥であることは、この本を読むまで全く知りませんでした。肉親ならではの細かい取材もあり、加藤泰監督本人にとっても、この山中貞雄の評伝を書くということは、いわば使命だったのかもしれません。
当人をよく知る人物が書いたわけですから、山中の一風変わった人物ぶりが生き生きと語られ、同時に映画人としての仕事も細かく記録されています。とにかく「面白い」映画だったみたいですねぇ。そして「人情紙風船」を最後に中国へ出征し、出征先で病死してしまうことになるのです。これは本当に悲しくなります。今更なのですが...非常に残念です。
残された映画がほとんどないながらも、脚本はかなり残っているそうなので、シナリオだけでも是非読んでみたい...という気持ちになりました。しかしシナリオ集もお値段としてはそれなり。時々古本屋さんで見かけますが、その厚みと値段でなかなか手がでません。
今年は山中貞雄生誕100年でもあったのです。京橋のフィルムセンターでは特別上映があったようですが、私はまったく行けませんでした。脚本のみ担当した作品なども上映されたようですね。少々残念。
これからDVD見直そうと思います。人情紙風船も持ってると思ったけれどありませんでした。すでに著作権が切れたので、すごく安くなってます!
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