内容は5つの章に分かれていて、それぞれに何冊か取り上げられております。
第1章 言葉の居ずまい
第2章 古典文芸の道しるべ
第3章 歴史への着地
第4章 思想史の組み立て
第5章 美術のインパルス
どれも普段私がほとんど読まないジャンルばかりです。私には難しすぎる入門書ばかりでは?と思って読み始めたのですが、「狐」さんの落ち着いた静かなイメージの文(私もこんな文章を書いてみたいものです…)を読んでいると、難しそうな本の紹介もすんなり頭に入ってきます。意外にも「これは読みたいな」と思う本もいくつかありました。
まず…実は大嫌いな「国語」。ひとえに学校教育(特に高校時代)のせいにしているのですが、「第1章 言葉の居ずまい」に紹介されている本は、どれも読みたくなりました。今、本屋大賞受賞の三浦しおん「舟を編む」で話題の国語辞典の話や、敬語の話、古代日本語の音韻の話、里見弴(「文章の話」は唯一の所有本)や堺利彦の本など、みんな面白そうです。
そしてこれまた最近話題の世界史。これもまた教科としては私の大の苦手(年号とカタカナ名が覚えられない)なのですが、この中でも「世界史はモンゴル帝国から始まった」という岡田英弘氏の「世界史の誕生竏茶c塔Sルの発展と伝統」という本には興味津々です。
思想史の中で気になったのは、田川建三「キリスト教思想への招待」でしょうか。「人間として考えるべきことをしっかり考え、生きるべき事をしっかり生きることができれば、クリスチャンであろうとなかろうと、そんなことはどうでもいいではないか」という言葉が印象的。人間の頭でこねくりあげた神が神である訳がないという考えが、田川氏のキリスト者としての思想なのだそうです。なるほど奔放なご意見です。
そういえば、田川建三という名前をみて「あれ?」と思ったのですが、実は以前この分厚い本を買ったきり、本の山の下の方にうずまっている事を思い出しました。もったいないから読まないとなぁ。今回気になった本は、即買おう!という程ではないけれど、チェックリストに入れておこうと思います。
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