本日より新しいコンテンツ「禿山さん」を始めたいと思います。曽祖父の湯本禿山(ゆもと・とくざん)、本名湯本政治が、雑誌「アララギ」に投稿していた短歌をご紹介していきたいと思います。
親族以外にはあまり関心をもっていただけないかとは思いますが、もともとテキスト化するつもりでしたので、平行してブログにも掲載していこうと思います。実はノートへの書き写しもしているのですが、これがまた意外と量があるのです…。やれるだけやってみます。
ということで、まずは「阿羅々木」の第壱巻第壱號(第一巻第一号)から。
<第一巻第一号>
選欄(伊藤左千夫選)
雑詠 湯本政治
おん獄に行く人なれや塩尻の青野が原を白衣あまた見ゆ
風吹けば立つ白浪のしみゝにも訪はまく思ふ君が家居を(湖畔の歌友へ)
八月九日より十一日に至る瀧の湯滞在中雑詠
八が嶺のすその高原時しくぞ霧雨ふりふり青空の日も (注)繰り返し「〈」
大空にきほいそぞれる八ケ嶽八つ尾見るから雲湧き起る
入り日さす下ゆかがよふ八ケねに静まる白雲黄金へり映ゆ
※八月十二日帰途亡友小平龍谷を湖東村に弔ひ手向けける歌の中に
君が手のふれしふみらを見るからにありし昔の面影にたつ
※七月末、村井河原より八幡原に登りて作れる歌
夏日照る青草原にあらかじめ咲くか金敷松虫草の花
夏の日のてりこむ河原にちゝ子草さはに生ひたり熱き河原に
※思い出る事を
七人の子をもつ父に書もほし旅にかもとせかみ乞はめや
くりやべの水のしわさに掃き拭きにをとこの兒等は母を助けず
朝夕に母がかしぐを助けに圍爐裏だにたけ弟童男(たぐな)等
☆☆☆
とにかく「変体かな」が読めません。第一首の「おん獄」の「お」の字も変体仮名で、最初から読めず、がく然としました。どこが言葉の区切りなのかもよく分からないこともあり、多少間違っているかもしれません。
うちのすがさん(祖母)の「か」の字も、実は「変体かな」なので、パソコンでは出せません。保険証が手書き文字、もしくはわざわざ作ったようなふにゃりとした書体でした。そしてそのすがさんは、歌に出てくる七人の子の一番下(なおかつ双子の妹)だったのだと思います。前も書いたかもしれませんが、禿山さんが横浜・横須賀方面に行っていた時に生まれたので「はま」さんと「すが」さん(横を取ったわけです)と名付けたと聞いております。
ということでひとまず。
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