どうしてこんなに続けて?と思っていましたが、「だるまちゃんとてんぐちゃん」の刊行50周年なのだそうです。
「現代思想」の特集では、かこさんと國分功一郎さんとの対談からスタート。かこさんが、これまでどのような思いで子どもたちと向き合ってきたのかがよくわかるインタビューでした。
かこさん自身によるエッセイや紙芝居の収録もありますが、そこは「現代思想」ですから、かこさんと一緒にお仕事をされた方のお話や、様々な分野の方による様々な「かこさとし」論など、表紙とは裏腹に非常に硬派な内容です。特に若い頃から活動されていた「セツルメント活動」のことが度々出てきます。これが、かこさんの作品のベースになっているわけですね。
硬派の中にも柔らかいものももちろんあり、かこさとし絵本館のスタッフの方による「絵本を遊ぶ」という遊びの実践のイラストも、かこさんの絵本と遜色ないほど楽しく、これを実践として遊んでいる子供達、さぞ楽しいだろうなぁ…と思わせる素敵なイラストレポートでした。
一方、KAWADE夢ムックの「かこさとし 人と地球の不思議とともに」の方は、タイトルからも少しわかる通り、主に「科学の本」にスポットを当てたものです。こちらは養老先生との対談が面白かったです。
私自身は、世代としては初期のだるまちゃんシリーズ、遊びの本、科学の本などに親しみました。「科学の本」に影響を受けました…と言いたいところですが、科学の本は、高校生ぐらいの頃に弟に読ませる本として手に取りました。子供の頃は「遊びの本」の方に夢中になり、図書館で借りたり、買ってもらったりして、何度も何度も読みました。「読んで」遊んだ気分になっていたのでしょうね。遊びの本に出てくる子供達がとても楽しそうなので、それを見ているだけて楽しい気分になれました。あ、少し脱線しましたね。
で、こちらのムックでは、かこさんの科学の本のどこがすごいのかが、それぞれの専門の方が解説しています。過去さんはもともと理系ではあるけれど、専門外の分野についても、時間をかけて入念に準備し、かなり勉強されて絵本を作っていらしたとのこと。細かい絵にはいつも感心しながら楽しんでいたけれど、それはそういった下地があってこそだったのですね。すごいです。
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