アララギ第八巻第壱号
久志呂歌巻
○ 湯本禿山
わが咳に木霊應(こた)ふる峡(はざま)路一人つらつらもの思ひ行くも
現身(うつそみ)に遠かるおもひ染々(しみじみ)と山の寂寥(しじま)を味いにけり
草原に夕日ただよひよろわたる風のゆくゑに秋立つらしも
雨しとど眞畫小暗(をぐら)き窓の外(と)にわが下思(したおも)をこほろぎ鳴くも
我(あ)に似たる心ほそほそ鳴き出でて思ひなやむかこほろぎ汝も
白々と明けゆく町の霧深み殘りの電燈(ともし)はつはつに見ゆ
以上 中村憲吉 選
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禿山さんのアララギへの投稿短歌。またしても間が空く。7ヶ月ぶりである。
なんのことはない、ブログのネタ切れということなのである。
それにしても、最近流行の短歌と比べるとなんと古風なこと。
今回はコオロギ登場。意外とムシたちも登場するのだ。
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