石巻市内にある県の施設、「
宮城県慶長使節船ミュージアム(通称、サン・ファン館)」。
メインの展示である木造の洋式帆船だった慶長使節船を復元した「サン・ファン・バウティスタ号」が、老朽化のため来週にも取り壊しが始まると聞き、船の見納め&開催中の特別展示「牡鹿半島・海と浜のトリビア10(TEN)」を見にいくことにしました。実はサン・ファン館に行くのは震災後は初めてだし、ものすごく久しぶりかも。
朝からよく晴れていて、目の前の佐須浜、そして渡波・漁港・長浜…そして太平洋が一望のサン・ファン・パーク。赤とんぼがたくさん飛ぶ中、ますサンファン号を眺めました。
下に降りて近くで見られるうちに来れば良かったなぁ…と思いながら、ミュージアムへ。入口では入館するだけでクリアファイルが1枚もらえました。ちなみに入館料は大人350円です。
今回の目的は、特別展です。震災後、牡鹿半島の鮎川を中心に民俗学のフィールドワークをされている、武蔵野美術大学の加藤幸治先生の監修で、牡鹿半島の漁業、そして捕鯨の文化について知ることができます。
ポスターの図柄には、よくよくみると牡鹿半島の浜の名前がたくさん書かれていて(あ、でも目の前の佐須浜が無いな…)いろいろな地域の文化が書き込まれていてステキです。
およそ100年前から本格的に始まった商業捕鯨にまつわる話を中心に、地元の漁業、金華山信仰、鯨博物館のはじまり、捕鯨が地元にもたらしたもの…など、10のトリビアが紹介されています。
個人的には、鮎川の捕鯨を舞台にした梶野悳三の小説の古書や、北上川の中瀬で昭和3年に行われた東北産業博覧会の絵はがきなど、興味深く拝見しました。川岸から中瀬へのロープウェイや、たくさんのパビリオンにびっくりです。いまや中瀬もすっかり更地ですから、逆にぜひまたやってほしい。
今回の展示については、持ち帰り用の小冊子もあり、アンケートに回答すると特別展のクリアファイルももらえました。久しぶりに「博物館」らしい展示を観たような気がします。これからの新しいサン・ファン館の展示に生かされることになるのかな。たくさんの方に見てほしいと思いました。
この展示をみて、鮎川の捕鯨と地元の民俗に興味がわいた方は、加藤先生の著書をぜひお読みください!サン・ファン館の売店でも販売中ですよ。
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