チェ・スミン編『私の小さな日本文学』(夏葉社):味わいが変わるスパイスつき

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私の小さな日本文学ゴールデンウィークの間に夏葉社さんの新刊、もう1冊を読了。

日本の大学で日本文学を学び、韓国で日本文学を学び、韓国に戻ってひとりで出版社をたちあげ、日本文学を翻訳して出版しているチェ・スミンさんが編集した近代日本文学の短篇を集めた本です。恩地孝四郎さんの装画が素敵な文庫サイズのハードカバー。装丁が素敵で手に取りたくなります。

知っている作家も多いけれど、知らない作家もあり、初めて読む作品ばかり。いや、みなさんそうかもしれないですね。それぞれの文の前にスミンさんからの問いかけのような一文があり、私は1つ1つを読んだあと、あらためてふりかえってこの文を読みかえしていました。また読後の味わいが少し変わるスパイスみたいな感じでした。

小説のタイプも文体も様々ですが、最近の小説を好んで読んでいる方が読むと、けっこう新鮮なのではないかなぁ。図書館で文学全集など手にしないと、いまやなかなか読めない作家の作品ばかり。短篇なので、傍らに置いて少しずつ読み進めるのも吉。チェ・スミンさんセレクトの新しい切り口の日本文学を味わってみませんか?

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このページは、raizoが2025年5月 6日に書いたブログ記事です。

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