アララギ第6巻第4号 その1
丘の家
湯本禿山
眞直なる汽車のれいるの野を遠になごみかがよふ月の光りに
霧はれの磧の石の離れ〱(繰り返し)しめるを見るしうらがなしかる
石床の肌つめたき霧はれのこのうるほひのそぞろ身に沁む
つめたきは石の性なる石にみな朝つゆおけり唯黙し見ぬ
友嘗て家を丘腹に建て予を住はし麺との約あり、
其消息を問ひなる書の末に
君によりわが住まふべきかの丘に春の光はながれたらずや
かぎろひの心もえつゝ朝な夕な見やる丘邊の春の色はも
我が戀ふる春の丘べに新しき家居は未だ成るとはいはなくに
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「れいる」なんてちょっとハイカラ。
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