NHKスペシャル「どう使われる 3.3兆円~検証 復興計画~」悪い例になってしまった石巻…

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明日の3.11を控え、マスコミの震災特集が目立つ時期となりました。これからはずっとこんな風にこの時期を迎えることになるのでしょうね。「石巻もにぎやかになってきたわよ」とはくみこさん(母)談。多くの方達の命日でもありますし、マスコミ各社も訪れますし、いろいろな意味で外から被災地に多くの人々がやってきて、そして明日が過ぎると静かな日々がまた訪れることでしょう。

震災特集の番組も連日続いていますが、昨日のNHKスペシャルは「復興計画」のお話でした。

NHKスペシャル|どう使われる 3.3兆円~検証 復興計画~

復興予算が無駄な工事に使われる…といった内容なのかなと思いながら見始めましたら、最初はなんと見慣れた石巻の門脇地区の話からスタートしました。

この地区は、浸水域ではあるけれど、居住可能な地区に指定され、新門脇地区として復興計画ができました。NHK独自の調査により元の地区に戻ってくる人が少なく、歯抜けの町になってしまいそうだというものでした。事前の番組紹介でも、CGの家が消えていく映像をチラリと見ましたが、あれは門脇のことだったのか…。

戻ってくる人が少ないと分かっていても、現在の復興計画は変更することなく、国費を使って遂行されるとのことでした。佐村河内氏(あれも舞台は石巻市)の件もありますし、報道がどこまで正しく伝えられているのか分かりませんが、地域の人たちが戻ってこないのは本当だろうと思います。

事前のアンケートで戻ってきたいと思っていた人たちは、元の町をイメージしてのことだったと思いますが、周辺も含めた復興計画を見ますと、今までとはまるで違う町になります。そこに自分で家を建てるとなると…考えてしまいますよね。

番組中、地域にあったお店や銀行などの事業者へのアンケートも紹介されましたが、再開予定なのはお寺2件(というかずっと営業中?)と消防団のみ。コンビニもスーパーも、郵便局も銀行も、他のたくさんのお店も…今のところはどこも戻ってくる予定はないようです。

これは、うちの実家にも大きく影響する話です。家は無事でも、日常的に利用していた門脇地区のお店が一切無くなって、一気に過疎の町のようになってしまいました。やっぱりダメなのか…とここで少し落胆。

番組後半では、柔軟に対応する女川町が良い例のように取り上げられ、新門脇地区は完全に悪い例。特に石巻市は、平然と計画を進める悪者になっていた感もありました。実際石巻市では、被害を受けた多くの地区のごく一部という扱いですから、細かいことまで手が回らないというのが実情なのではないでしょうか。

復興計画の予想図では、素敵な町の絵にはなっていました。悪い例として取り上げられてしまいましたが、すでに住んでいる方、戻ってくる予定の方もいらっしゃいます。せめてその方達にとって、少しでも住みやすい地区になるよう願っています。

隣接する南浜町の復興祈念公園のほうも進み始めておりますが、いったいどうなることでしょう。ご近所さんとしては、ここも非常に気になるところであります。こちらも、地区に住んでいたみなさんが、静かに追悼できる場所になりますように!

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このページは、raizoが2014年3月10日に書いたブログ記事です。

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