「BC級戦犯裁判」と「731」

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4004309522BC級戦犯裁判
林 博史


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戦後60年の少し固い戦争もの読書シリーズ最終回。A級戦犯の裁判である東京裁判は映画も見ましたし、本も読んだことはありますが、B級とC級って?というのが動機。ABCは悪い順番かと思っていたのですが、それぞれに理由がついています。

A→平和に対する罪
B→通例の戦争犯罪
C→人道に対する罪

少なくともBとCは、ランクではありませんし、場合によってはCのほうがタチが悪かったりしますし。

勝った国が負けた国の人々を裁くことに批判もありますが、戦闘以外の部分で戦争中に何が起きていたのかを知ることができますね。そして勝った国の都合で裁かれ方にもブレがあり、自国の捕虜虐待には厳しいけれど、慰安婦問題は軽く見られていたりするようです。だだ、上官の命令に従わざるを得なかった立場にあったりすると、

そして、みっともない上官の言い逃れや証拠隠滅の事例がたくさんでてくるので、帝国軍人の情けなさもかいま見ることができます。

その直後に読んだのが「731」。有名な細菌戦の実験をしていた731部隊についてのお話。(ちなみに有名な森村誠一の「悪魔の飽食」は未読であります。)部隊長の石井四郎直筆のマル秘ノートという新資料に基づいた取材が中心です。戦争中の731部隊の様子は説明程度で、主に戦後の「その後の731」について描かれております。

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青木 冨貴子


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BC級戦犯の話を読んだ後だけに、731部隊の特別扱い振りには驚くばかり。アメリカもアメリカだよ...というところです。戦後アメリカやソ連が実験情報を欲しがっていた...というあたりもなんだかむなしくなります。731部隊関係が戦犯として裁かれなかったのは、証拠隠滅・口裏合わせ・占領軍との取引...などなど、努力(?)のたまもののようです。

どちらにしろ、2度と戦争は繰り返さないで欲しいというのが実感です。自衛隊が本当に軍隊になると、いったいどうなるのかな。職業としての隊員の方は別として、いざ戦争になって昔のように若者が招集されたとしても、今どきの皆さんが戦地で使いモノになるとはあまり思えませんし。いやそれ以前に、そういうことは絶対に無いことを願っております。

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