一昨日になりますが、1月30日のWindows Vistaの消費者向け販売日に合わせ、Vista搭載の新製品パソコンが一斉に発表されています。
Windows Vista搭載PCが一斉にお披露目--1月30日から各社発売 - CNET Japan
セキュリティー機能が高くなり、(spotlightのように)ファイル検索がしやすくなる...のが新機能ということです。XP登場から長いこと待たされたわけですが、もうWindows 95の時のように誰もが飛びつくようなアップデートでもないような...。昨日の日経新聞でも、Vista投入前の買い控えで2006年のパソコン売り上げが減ってしまったこと、パソコンが製品として薄型テレビと携帯電話を競合してしまっている...という現場からの報告が記事になっていました。
「映像を楽しみたい消費者は限られた予算を薄型テレビに優先的に投じる」とか。パソコン用のモニタも大型化しているとはいえ、今や薄型テレビは32や37インチが標準になりつつあります。いくらパソコンにリモコンがついても、テレビとは使い方が違いますし、家族みんなで楽しめるとなれば、やはりテレビに軍配があがるという話でした。同じように、ちょっとしたWebブラウズなら、携帯電話でも十分というような状況になっており、パソコンを自分で所有する必要性が低下しているようです。
記事のタイトルは「試練の船出」でした。Windows XPで十分満足している一般ユーザーにしてみれば、たまたま壊れたとか調子が悪いというのは別として、Vista目的でパソコンを買い替える率は低いということのようです。そういう意味では、MacユーザーというのはPCユーザーに比べればずっと数は少ないものの、新しもの好きであることが多く、アップルの魅力ある製品につられ、ある程度はコンスタントに新陳代謝が行われていますね。
そういえば、iPhoneが発表された直後、日経では「iPod携帯の衝撃縲恣坙{の家電産業に挑戦状」という記事も。記事の趣旨は、iPhone発表は、日本の家電メーカーすべてに対する挑戦状だということでした。世界的に見れば、日本の家電メーカーの競争力が昔に比べて落ちていいます。そこに、今回はアップルが社名から「コンピュータ」をはずし、なみなみならぬ決意で本格的に「家電」に参入することを宣言したわけです。でも本当に「家電」を作るつもりなのでしょうか?
アップルは今のところ薄型テレビを発表したわけではありません。ジョブズは無理にパソコンでテレビを見るのではなく、既存のテレビでソフトウェアを楽しむコンセプトを示しました。音楽の分野では、パソコンに蓄積したiTunesの音楽ソースを、自分の好みにあったオーディオ機器で楽しめるようにしてきました。パソコンで聞いてもいいし、パソコンにスピーカーを付けてもいいし、iPodで持ち出して外部の聞きにつなげてもいいし、既存のオーディオで聞くこともできます。パソコンと家電が共存できているわけです。その点が、Vistaの新機能(Vistaはパソコン自らが家電化?)とは方向性が違うように思います。
発表されたApple TVは、iTunesの枠にはめたこともあって映像のスペックもそれほど高くなく、今回の発表でも地味な印象になりましたが、iTunes+iPodの成功まではいかなくとも、映像コンテンツの新しい使い方の提案になるといいですね。そういった意味で、第2世代、第3世代Apple TVと進むうちに、また新しい世界が開けるのかもしれません。
私はPCはあくまでPersonalなもので、Publicなリビングで使うものではないと思っています。(リビングで家族の衆目の中メールのやりとりやWebのブラウズはやりたくないでしょ ^_^;)
そういう意味ではApple TVの方向は正しいと思います。MSもMCEから舵を切ってXBoxにその役を担わせようとしているみたいですしね。
チューナーを付け録画機能を付けるなどしてPCをリビングに強引に持ち込もうとしているのは日本の家電PCメーカーのみという印象が否めません。
>グース 様
>PCをリビングに強引に持ち込もうとしているのは
>日本の家電PCメーカーのみという印象が否めません。
そう言われてみると、PCメーカーが家電メーカーでもある日本ということそのものが特殊なのかもしれませんね。良い意味では得意分野を生かしているということなのかもしれませんが...。