最相葉月「星新一 一〇〇一話をつくった人」

410459802X星新一 一〇〇一話をつくった人
最相 葉月
新潮社 2007-03

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読むのに1ヶ月以上かかってしまいました。かなり分厚い星新一氏の評伝です。大作ということもありますが、やっと読み終わってみて、なんだかとても重たい気分になっています。

星新一のショートショートは、私も小学校高学年縲恍・w校の頃に多少読みました。フリークというわけではなく、私はどちらかというとハインラインなどの海外翻訳SFを良く読んでいたと思います。小学校六年生の時に「気まぐれロボット」で読書感想文を書いた覚えもあります。単純に話が短いので読むのも楽...という、まことに不真面目な理由でした。その頃以来、正直言って星新一の本は全く読んでいなかったのですが、発売日にこの本のタイトルを新聞で見て、なぜか「これは買わなくては」という気持ちになりました。

お話は、生まれたときから無くなるまでの評伝で、特にファンというわけでもなかった私にとっては知らない話ばかり。星氏は大正時代の大企業星製薬の御曹司であったということで、国会議員であった父、星一の話から始まります。読んでいて、この星一の話は何度も眠たくなり(分厚いので寝る前に呼んでいるからですが...)、遅々として読み進まず、読了に時間がかかった一因でもあったのですが、実はこの部分が星新一の一生にとって大きな影響を与える部分であり、しっかり読んでおかなくては行けない部分でもありました。

その後、新一氏が東大農学部を卒業し、製薬会社を引き継ぎ、傾いた会社を整理し、日本で生まれたばかりのSFの世界に踏み入るあたりから面白くなってきて、読むスピードがグンと速くなってきました。日本のSF文壇史を読んでいるようでもありました。そして本格的な作家生活から晩年へとつきすすみます。晩年に近づくと、病気をされたり、小説家としても苦しんでおられたようなので、神妙な気持ちで読み終えることになりました。

筆者の最相氏は、多くの関係者にインタビューし、膨大な新一氏の遺品を整理し、3年の年月をかけてこの本を完成させたそうです。その力作ぶりは、読む側にも充分伝わってきました。読後の重さは、晩年の星氏に同情する気持ちもあるのだけれど、その星氏の一生に取り組む最相氏の真剣さが伝わって来たのかもしれません。

読後は急に星ブーム。古書店で「気まぐれロボット」は見つけましたが「ボッコちゃん」はまだ見つかりません。星氏自身が書いた星一関係の評伝も読みたいと思っているところです。

星氏の次女である星マリナさんの波乗りコラム
波伝説ドットコム・・・サーフィンと海の総合サイト

4104598011あのころの未来―星新一の預言
最相 葉月
新潮社 2003-04

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