内堀弘「ボン書店の幻」

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ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫)
ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫)内堀 弘

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stars内堀弘『ボン書店の幻』(ちくま文庫)を贈られて
stars巧すぎるよ、内堀さん!

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古書系ブログでは話題になっていましたし、文庫が出た頃から気になっていたのですが、でもこのへんな名前の出版社の話って?と思い、買わずにいました。年末に、どこかの誌上で今年の1冊に選ばれているのを見て、あらためて読んでみたくなりました。

そもそも私は「モダニズムの時代」がなんのことやらわからなかったりするのですが、それでも読んでいるうちに、ボン書店の世界に引き込まれてしまいました。

ボン書店は、1930年代に「モダニズム詩集」などを出版していた幻の出版社だったのだそうです。この本は、その出版社と、その出版人の鳥羽茂のお話です。私自身は詩にまったく興味がなく、詩集も読んだことがないので、出てくる詩や詩には、あまりピンときませんでした。しかし読み進むうちに、ボン書店が出版した本が白黒の写真で掲載されていて、その本そのものが気になってきました。表紙しかわからないのですが。実際に見たことのないそれらの本を手に取ってみたくなりました。いったいどんな中身なんだろう...。

そして、鳥羽茂という人の仕事ぶりを読むうちに、戦争の前という時代の、青年達の情熱を感じつつ、今の時代にはない「何か」を感じました。もう私は若者ではないにしても、生きている世界が全く違うような気がします。

さらに...本編の後にある「文庫のための少し長いあとがき」が、さらにこの話を心にひびくものにしてくれています。単行本を読んだ方も、文庫版を読まないともったいないです。

久しぶりに、良いドキュメンタリーを読ませていただきました。そして、いつかはどこかの古書店で、本物のボン書店の本に出会いたい...という新しい目標もできました。こうやって新しい世界を知ることができて、著者の内堀さんにも感謝したと思います。

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