ローワン・ジェイコブセン「ハチはなぜ大量死したのか」

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ハチはなぜ大量死したのかハチはなぜ大量死したのか
ローワン・ジェイコブセン(中里 京子 訳)

文藝春秋 2009-01-27
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「小林・益川理論の証明」に続いてのサイエンスもの。家でチビチビ読んでやっと読了しました。

ミツバチやアリなどの社会性昆虫にはもともと興味があり、もっとササっと読めるかと思ったのですが、なんだか読むのに時間がかかってしまいました。内容が濃かったからでしょうか。でも決してその内容が難しかったわけではありません。

これは、主に米国を舞台としたセイヨウミツバチの大量死(もしくは大量失踪)CCDの謎を追ったノンフィクションです。この春は、日本でも受粉用のセイヨウミツバチが不足しているということでニュースにもなりました。世界的に影響が出ており、いまだ収束していないようです。

櫻井翔 イチメン|4月20日イチメン 農家悲鳴 受粉ハチが大量死

ただし、そのミツバチの大量死の原因だけでなく、ミツバチの役割(花粉媒介ですね)、米国の養蜂家の現状、そしてアメリカの農業の現状(ミツバチに花粉媒介させる栽培方法、そして新しい農薬)なども詳しく触れられており、そのボリュームで読むスピードが遅くなりました。

現代農業、特に米国農業におけるミツバチの位置づけが、これほど大きいものとは知りませんでした。カリフォルニアのアーモンド農場で酷使されるミツバチの話は、ミツバチに同情してしまうほど。中国では農薬をまきすぎてミツバチもいないので、人力で受粉させているという話にもびっくりでした。

そのミツバチ達が、結局は様々な人為的な要因によって大量死しているということですから、現代版「沈黙の春」といったところではないかと思います。

いわゆる脊椎動物は目立つので、絶滅の危機から救え!という声も大きいけれど、昆虫や植物などは、人知れず地球上から消えてしまっている種も数えきれないほどだと思いますが、環境の影響を真っ先に受けるのも、植物であり昆虫であるのかもしれません。結局、元をたどれば人間が一番悪いということです。人間が自らの繁栄を優先して環境を壊し、地球上の他の生命体を次々と絶滅させて行く...という事実もまた、恐竜が絶滅してしまったように、単なる地球の歴史ということなのか...。

今、日本は新型インフルエンザで大騒ぎです。人間ばかりがあまりに増え過ぎると、遠い将来、未知の病気が発生し、人間も絶滅の危機に瀕することになるかもしれません。たった1つの種の密度が高くなりすぎたことによる、自然の摂理なのかも。

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このページは、raizoが2009年5月22日に書いたブログ記事です。

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