山田宏一・和田誠「ヒッチコックに進路を取れ」

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ヒッチコックに進路を取れヒッチコックに進路を取れ

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先月初めから少しずつ読んでいて、やっと読了(読むのが遅くていつも自己嫌悪)しました。山田宏一と和田誠が、ヒッチコックの作品1つ1つについて対談しています。しかし、ご両人のヒッチコック作品を愛する気持ちと知識の豊富さには本当に感服いたしました。

知識の豊富さ...は、山田宏一映画評論家ですし、和田誠さんもかなりの映画ファンでいらっしゃるので、当然ではあるのですが、初期(ロンドン時代)の作品に出てきた俳優さんたちが出ていた他の作品なども次々と挙げていらっしゃって、しかもその作品をちゃんと見ていたりするので、凡人とはレベルが全然違うと思いました。

そして、対談の内容は普通の「映画解説」とは雰囲気がずいぶん違います。前述の登場する俳優さんたちの話から、撮影のテクニックのこと、演出的な話、お二人が好きな場面、もちろんおなじみのヒッチコック自信が出演するシーンなど...。とにかく、読んでいるとヒッチコック映画が無性に見たくなります。私も昔の作品も含めて、意識して観てきましたが、確かにこのところはあまり観ていないので、けっこう忘れてしまっているところもあります。

トータルで、自分が観たことの無い作品の部分は、読んでいてもいまひとつ、好きな作品のところではがぜんはりきって読みました。日本での著作権の関係で、初期の作品は500円で売っていますので、ちょっと揃えていこうかなと思い始めております。晩年の作品は、つまらなそう...というイメージが先行して観ていなかったのですが、山田氏・和田氏の作品としての評価は高かったので、こちらもやはり観なくては!と思いを新たにいたしました。

ちなみに、私が好きな作品を3つあげるとするならば「裏窓」「北北西に進路を取れ」「泥棒成金」。グレース・ケリー(ヒッチコックもお気入りだったそうです)も好きですしちょっとコメディタッチな話が好きです。北北西...にはエヴァー・マリー・セイントという女優さんが相手役で、個人的にも気に入った女優さんだったのですが、名前がなかなか覚えられず、何度も何度も復唱して覚えた記憶があります。

この本でも度々出てくるのがトリュフォーがヒッチコックにインタビューする形でできたこの本。大判のハードカバーでお値段もそれなりですが、たぶんこの本が出たばかりの頃、ちょうどヒッチコック映画に凝っていて、私としてはかなり思い切って買ったと思います。現在も本棚の奥に鎮座していますが、もう10年以上開いていないかも...。

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このページは、raizoが2010年1月10日に書いたブログ記事です。

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