石巻に帰るたび、門脇や南浜町を歩きます。大潮のたびに水があがって通れなくなっていた細い道路のいくつかは、今回はジャリで盛土されていました。門脇郵便局のあった通りも、雲雀野公園まで進めるようになっていました。
進んだ先は、雲雀野公園の西の入り口。もうこの瓦礫置き場は閉鎖されていました。もうここも一杯ということです。
雲雀野海岸から工業港を眺めたら、工業港の瓦礫の山のとなりに、新しくできた焼却炉らしきプラントも見えました。
河北新報 東北のニュース/石巻のがれき焼却炉が稼働 8月までに5基体制に
冠水していた道路が盛土され、慢性的な水たまりも減っていましたが、大きな水たまりには藻が発生し、写真ではよく見えませんがアメンボがたくさん泳いでいました。
住宅が増えてからはあまり聞くことが無くなっていたヒバリの鳴き声もも空髙く響いていて、まさに「雲雀野」に戻っていました。ほんとうはこのまま広々とした海岸に戻せるといいんですけどね…。
防波堤の内側と道路の間には、ハマエンドウも咲いていました。
自衛隊の飛行機も震災前ほどの頻度ではありませんが、太平洋上をゴーっと飛んでいきます。ブルーインパルスの訓練もありますし、ジェット音はうるさいんですが、これがこのあたりの日常の音でした。この轟音に、ちょっと日常が戻ったような気持ちになりました。
有名な「がんばろう石巻」の看板の向い側で、味平ラーメンのおじさんが石巻焼きそばを売っているという話を聞いたのですが、それは土日祝日限定だそうで、「とおりの駅」と名前のついたスペースも無人でした。GWは人が集まっていたそうですが、週末は賑わっているのかなぁ。
門脇小学校近くの文房具店「さかき屋」さんのあった場所では、折り鶴を見つけ、しんみりしました。どなたかがGWにいらして置いていったのでしょうね。ここは私の文具好きのルーツでしたから思う事もいろいろあります。
翌々日、くみこさんもまだ1度も行ったことがないというので、歩いて「ホット横丁石巻」にいく途中、遠くからガチャガチャと楽器音が聞こえてきます。くみこさんは門脇小学校の鼓笛隊だと言うのですが、こんなに遠くまで聞こえないでしょと疑う私。でもやっぱりくみこさんの言う通り、現在間借りしている門脇中学校の校庭で、門脇小学校の子供たちが鼓笛隊の練習をしていました。
私が小学生の頃は、40人学級6クラスでしたので、ピアニカや縦笛などのその他大勢(私もその1人)がゾロゾロいたのですが、今は生徒数が少なくなったていますが、このぐらいのほうがみんなが主役という感じがしていいなぁ。川開きもこのところ行っていないので、鼓笛隊の演奏を聴くのもほんとうに久しぶりです。
中学校の校庭をグルグル行進しつつ、最初はミッキーマウスの曲でしたが、メドレーはやがて門脇小学校の校歌になりました。「小学校はか縲怩ヌのわき、チャンチャチャーン」という地元では有名なフレーズで曲が終わると、ジーンと涙がでちゃいました。観客は私とくみこさんのみでしたが思わず小さく拍手。今週末が運動会だそうで、本番も元気に演奏してもらいたいです。
門脇小学校の校歌の締めのフレーズ、市内の学校が集まる大会で歌うと、コマーシャルみたいだと他校から必ず笑われましたが、歌っている方も、自嘲気味にニヤニヤしながらこの部分を大きな声で歌ってみたりして、今思えば楽しい校歌だったなと思います。
「さあ 手をとって 手をとって 進もうよ 小学校は 門脇」
一生忘れられないフレーズです。
アルバム全体はこちら。
石巻2012年5月 - a set on Flickr
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