今年の私の新書ナンバー1:野村哲也「世界の四大花園を行く」

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たくさんありすぎて最近めっきり寄らなくなった新書コーナーで、たまたま平積みになっていたのを見かけて購入。あまり期待せずに読み始めたのだけれど、これが思っていた以上に素晴らしかった。今年の私の新書ナンバー1決定です。今年で50周年の老舗「中公新書」さすがだなぁ。

タイトル通り、世界の4つの花園を訪ねるお話で、きれいなカラー写真と文章が半分ずつでしょうか。とにかくその花園が夢のようなのです。

ペルー→南アフリカ→オーストラリア→チリと、世界の花の愛好家が縁をつないていく展開。著者と一緒に花園を探しに行っているような気分になります。文章の流れとともにページをめくると、たどりついた花園の写真が広がり、その光景にドキドキするぐらいの衝撃でした。まさに異国の見たこともない花の景色。紹介されているワイルドフラワーの1つ1つもとてもステキなんです。おそらく園芸種の原種となったのであろう花々もたくさん登場します。

特に感動したのは、オーストラリアのリースフラワー。地面にのった丸いリースのような植物なんですが、私にはお花のケーキのようにも見えて、とにかくかわいい。

リースフラワー 西オーストラリア : 写真家・相原正明のつれづれフォトブログ

他にもいろんな花の花園もたくさんあり、オーストラリアがこんなに多様な花が咲くところだとは知りませんでした。パース発の花めぐりツアーもあるんですね。砂漠とユーカリのイメージしかなかったのですが、その砂漠が花園になるのです。

そうなのです、ここに登場する四大花園全てが砂漠であることがさらなる驚異。ほんとうにごくごく短い雨期を経て、砂漠が花園に変わるのですから不思議ですねぇ。雨量が少ないと全く咲かない年もあるそうで、そこがまた花園を探す旅のわくわく感を誘っているのかもしれないですね。行ってみたいなぁ。

新書サイズなので、写真をもっと大きな図版で見たかったような気もしますが、多くの人に手に取ってもらうには、新書で良かったのかな。著者の野村哲也さんは、引き続き南アフリカの自然を撮影するため、今は南アフリカ在住なのだそうです。南アフリカも珍しい植物がたくさんある国ですから、見たこともない花々の写真を見せていただきたいですね。

とにかく花が好きな方には是非ともおすすめしたい1冊です。

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このページは、raizoが2012年11月17日に書いたブログ記事です。

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