選挙は終わりましたが「世界」1月号縲恣喧k復興 - 置き去りにされた生活再建

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選挙後ということで、堅い話を。

岩波書店『世界』の最新号。出てすぐに第二特集目的で買って読んでいたのですが、もう選挙も終わってしまいましたので、第一特集の選挙の話では売れなくなってしまいました。(公明党の「ポスト池田」の話などは興味深く読みました。ちなみに投票率が低く抑えられると、公明党も効率良く比例区議席が取れますな。)

さてその第二特集ですが、期待通り興味深く読ませていただきました。

特に印象に残ったのは以下の各氏のお話。

<赤坂憲雄氏「やがて、福島がはじまりの土地となる」>
経済力や人口がピークを過ぎている地域では、復旧→旧に復することは困難・不可能であろうこと。惰性の公共事業型projectが震災復興と称し、利権漁りが演じられていること。たとえば飯舘村1村の除染費用3000億円は、福島県がこれまでに受け取ってきた原発交付金と同程度で、経済的合理性を喪失しているという指摘。

<臼澤良一氏「大槌のまちづくりに想う」>
まちづくりの主役は町民のはずだから、主役である私たち町民にも参画させて欲しいという願い。(ほんとうにどこも同じですね。)

<塩崎賢明氏「住宅復興とまちづくり」>
復興公営住宅か自力再建(これが最も望まれることでしょうが…)かという難しい選択肢と、住宅復興施策の先がいまだに見えない(ほんとにひどい!)という問題点。そしてここでもすすまないまちづくりのこと。

<新雅史氏「仮設商店街から見える『生活』と『商業』の乖離」>
多くの問題を抱える「仮設商店街」。専門業態のつらなりが崩壊し、単に商店のよせ集めになっていること。「地域の冷蔵庫」たるスーパーがあれば良い(そういえばくみこさんもスーパーがあれば良いと言っていたなぁ)現代の消費スタイル。住宅と商業の間にあった「生活」が消去されてしまった今、その視点を欠落させたまま市街地や商店街を復興させることへの疑問。そもそも商店街が必要なのかという、日本のあちこちで起きている根源的な問いに向かい合いながら、前著「商店街はなせ滅びるのか」でも語られていた自営業育成の必要性を再度問いかけています。

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すでに何兆円も予算が投入されていて、今後25年間にわたる復興特別増税も年明けからスタートするのに、いったいその巨額の予算がどこに消えてしまったのかわかりません。原発関連を除き、地元ではがれきの山が減ってきたこと、建物の取り壊しを除くと、あまり予算がつぎ込まれた実感がわきません。復興予算も結局は「ザ・公共事業」。土建屋さんに渡ったのでしょうか…。

だからといって、復興住宅はもちろんのこと、ものすごい高さの防潮堤や高盛土道路もまだ建設が始まっていません。予算が流用されたことが話題になりますが、流用以前の問題もあるのでは?と思っていたところにこの特集です。でも予算的な突っ込みが少なかったのは残念なところ。

街づくりの過程が見えない、住民不在で進んでいく様子は、沿岸地域のどこも皆同じなんだなというのが一番の実感です。

自民党政権になれば復興が進むそうですが、本当にそうなのでしょうか。政権を取らなくても、他党と協力して進めて欲しかった。でも票にならないからやらないのかな。でもどうも「自民党」と聞くと、これから大規模な復興計画が打ち出され、結局は土建屋さんや大企業が得する大規模公共事業の方向に進みそうな気もします。地元石巻の選挙区は民主党の安住さんが勝っていますが、外様になってしまった今、どんな影響があるのかもちょっぴり心配であります…。

とにもかくにも、何党が政権を獲ろうが、本当に必要なところにお金が回るようになって欲しいです。

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このページは、raizoが2012年12月17日に書いたブログ記事です。

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