禿山さん(3):アララギ第1巻第3号

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アララギ第1巻第3号

選欄 左千夫選
雑歌 湯本政治

靡〔なび〕きたる底ひの玉藻ゆら〔〳〵〕にひそめる魚等すきて寒しも

※注:〔〳〵〕→縦書きの繰り返し記号(2文字分で、「く」の字の長くなったような文字)

千町田の稲葉さわたる風に立つ鬚白翁は小田の神かも
山の上になつを幸はふ風あみつゝうそふき居れば神代しおもほゆ(登山)
佐保神のめくみになれたる物みながてる日にいられ生けりともなし(桃)
あし曳きの山のたをりの花そばに月はたゆたふ夜を惜しみかも
あかときの星野またゝきしら〔〳〵〕に今かも野べは霜結ぶらし
新みどりすくすく立てる小松原見つゝ吾行く心すがしも(新といふことを)
春たけて野のことしげみ草の戸は翁と鶏と留守居するかも
埋火のむつきに匂ふこの冬の幸をふゝみていむかひあらむ(初産の夫婦へ)
をしみ縄坂下るそりのをしみなは誰があとひきてござる君かも

☆☆☆

今回も最初の1文字がいきなり読めませんでした。靡く(なびく)だそうです。iPhoneの大辞林で手書き入力して調べました。

禿山さんの短歌、他の投稿者と比べてみますと、どちらかというと古風な歌風のようです。

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