高野文子「ドミトリーともきんす」なんと自然科学の読書案内だったので感涙。

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高野文子の7年ぶり(だったと思いますが)の新作マンガが出ると知り、発売を楽しみに待っていました。なんとも不思議なタイトルです。

しかも…読んでみると、その内容は私好みの「自然科学本を紹介する」というマンガだったのでした!

主人公はとも子さんとその娘のきん子さん。2人あわせて「ともきんす」ですが、それもまた物理学を始めとする科学の入門書「トムキンスの冒険 (G・ガモフ コレクション)」(ただいまネット書店各店で品切れ中!)が名前の由来とのこと。

そして2人が営む下宿に、朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹がモデルの学生さんたちが住んでいるという想定で、彼らの著書を各話1冊ずつ取り上げて、その本をモチーフにしたお話と、最後に本の紹介文が添えられています。

とにかくマンガがスゴイ。これでこそ高野文子という作品です。とも子さんも、きん子ちゃんも、トモナガ君、マキノ君、ナカヤ君、ユカワ君…みんな良い!

私は日ごろ物理学者本(の古本。ただしおもに随筆)を集めている(買って並べるだけであまり読んでない…)ので、衝撃に近い感動の気持ちを持ちながら最後まで一気に読みました。まさに感涙もの。読み終わってなお「しあわせ」ですっ。

高野先生の「科学の本ってヒンヤリして気持ちがいい」という表現、これもまた先生らしい素敵な表現ですね。科学の本にもイロイロありますから、論文調でつまらないものもあるのですが、ここに登場する皆さんは、どなたも素敵な文章を書かれる方ばかりです。

不思議と物理学と文学はなんだか近い所にあるような気もしますね。寺田寅彦を始めとする物理学者の方達に随筆などの著書が多いはそんななにかがあるのでしょうか。物理という学問は個人的には苦手ですが、哲学的・思索的だなと思うこともあります。

これまでも密かに「物理本」と称して買い集めていました。4人の中ではトモナガ君、ナカヤ君、ユカワ君がそうですね。私もこのお3方の本を何冊か持っています。

ナカヤ君の本は、雪の結晶の研究者というこもあって人気がありますし、私も一番保有数が多いと思います。一方、トモナガ君やユカワ君は、最近は原子力に関連して名前が手手来ることが増えてきましたが、ここにきて人気が急上昇するかもしれませんね。物理本、これからは古本的にライバルが増えそうだなぁ。

そして…このマンガの巻末の「Tさん(東京在住)は、この夏、盆踊りが、おどりたい。」という作品も凄かった。盆踊りが図解されているマンガです。高野先生ご本人はそのつもりはないのだと思いますが、手足の動き1つ1つをコマで描くという実験的とも言える作品であります。最後まで感激です。

私はこのあたりから読んでみたい。

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このページは、raizoが2014年9月28日に書いたブログ記事です。

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